監督生のカントクセイ【ツイステ】

氷の茎 ページ6

それは、突然だった。









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Noside

「っ？！監督生ッッ！！！」

デュースの目線の先には虚ろな目をした監督生が立っていた。

監督生の衣服は乱れていて、頬には殴られた痕と涙痕が。
手足には何かで縛られたような痕が彼女の白い肌で目立っていた。

デュースと傍に居たエースが監督生に駆け寄り、その体を抱きとめる。

「監督生....？一体何があったんだよ.....」

エースが監督生にそう聞く。
その声は震えていた。

監督生は何も言わず虚ろな表情で、デュースに抱きしめられるがままだった。

エースとデュースは嫌な予感がしていた。
もしかして、という考えは認めたくなくて、どうしようもできなかった。

「取り敢えずオレらんとこの寮に移動しようぜ。」

「あぁ。.......監督生、すまない。」

デュースはそう言って監督生を姫抱きにし、エースと共にハーツラビュル寮に向かった。





「寮長！」

二人が寮長室に入り、リドルを呼ぶ。
その部屋には副寮長のトレイと先輩のケイトがいた。

「え、監督生ちゃんどうしちゃったワケ...？！」

「取り敢えず部屋にお入り。」

ケイトが監督生の姿を見てそう零し、リドルは一大事を察して、三人を寮長室に招いた。



「監督生。ミルクティーだ。飲めそうか」

トレイが未だに虚ろな監督生に温かいミルクティーが入ったカップを差し出した。

監督生はゆっくりそれを見つめ、やがて飲んだ。

「........監督生。君の身に一体何が起きたんだい？」

リドルが優しい口調で監督生にそう問うた。

「........................おそ、われた.......」

監督生のその言葉はひどく小さく、聞き取りづらかった。
声は掠れていた。

「襲われた？！......一体誰に？」

リドルが監督生の言葉に驚きを見せたが、すぐに気を取り直して、再び質問をした。

監督生は途端にその瞳から大粒の涙を流した。
そうなってしまった出来事を思い出して恐怖が襲ったのだ。

「......わか、らなっ....」

つっかえながらそういう監督生の背中をエースとデュースが摩る。

「悪いね。君にとって嫌なことを思い出させてしまって......。」

リドルは監督生の頭を撫でた。

監督生は涙を流し続け、次第にしゃっくりを上げ始めた。

「......Aせんぱッ.....」

「「「！！」」」

監督生の言葉にAの名前が上がった。

「トレイ、ケイト。」

リドルが二人を呼び、トレイとケイトは部屋を出ていった。

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