俺達は知っている

運命の夜（IT会社長、または七鬼忍） ページ47

夜。

この時間に俺のスマホに電話がかかってくるということは、まずない。

書類の山の中でひたすらパソコンを打ち続ける俺の気持ちを解ってか知らずか。

そんな夜。

俺のスマホは、実に元気よく、社長室でフランス国歌を流した。

「忍、何そのウザすぎる着メロ。早く切ってよ。」

麻世夏ちゃんが髪をかき上げながら言う。

「ごめ・・・ってんんん？

　悪い、麻世夏ちゃん、俺ちょっと出てくる。」

「はァ、ちょ、待ってよ忍！
　なんなの、このクソ忙しい時間帯に！」

ああ、俺もそれ、聞きたい。

「おい美門！なんなんだよ、俺まだ仕事中！」

「悪い七鬼！俺も仕事してたけど・・・


　



緊急事態だ！」

「なんだよ。」

張りつめてんな。

「アーヤのことで。」

「は、立花！？」

突然出たその名前に狼狽えた。



「アーヤが、









このままじゃ、もう二度とっ、








再会なんてできない！」

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