─ juvenile ページ3
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「あら、あなたが監督生さん？」
「……！」
……−いつものようにグリムを探して学園の中を彷徨っていた。僕は魔法なんて使えないし、おまけに運動神経も、お世辞にも良いとは言い難い。だからこそ、グリムを探すにもこうやって一苦労するのだけど。
そして放課後をいいことに、僕は中庭の片隅にある綺麗な花園で、よく休憩することが日課だった。
綺麗な花園には色とりどりの花が咲いている。
丁寧に飼育されていることがよく分かる鮮やかな色だ。
……−そこで、僕は彼女と初めて出会った。
「あ、えと………」
「ごめんなさい、私が名乗る方が先よね。私の名前はA。この学園に身を置かせてもらっているの。」
「あ、いえ！こちらこそごめんなさい……」
彼女の手には小さくて、可愛らしいデザインの霧吹きが握られていた。その姿から、彼女がこの庭園を管理していることなんて容易く想像ができた。
「この庭園、Aさんの庭園だったんですね。
僕、そんなことも知らないで勝手に入り込んじゃって」
「むしろ、来てくれて嬉しいわ。ありがとう」
彼女は微笑んだ。花のような笑顔。だが、その笑顔はどこか寂しそうで、これ以上ないくらいに美しかった。
「そうだ、監督生さん。私、今からお茶を飲もうと思っていたの。一緒に飲まない？」
「えっ………」
「ごめんなさい、迷惑だった？」
彼女はわざとらしく眉を下げてみせた。口元に添えられた細い指に、リングが嵌められていることに気がつく。そのリングのデザインは、ドラゴンのような、コウモリのような、……何にでも見て取れるデザインだった。
「いえ！全然！僕でよければ」
「ありがとう、監督生さん」
……−また、悲しそうに笑う。なぜかその笑顔の裏を、見てみたいと思う自分がいた。初めて会ったばかりなのに、可笑しいことだと我ながら思う。だけど今だけは、この甘ったるいほど鼻にしがみつく彼女の香りに、敵うことは難しかった。
*._
続く
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れーんーりー - 更新頑張ってくださいいいい！！！！いつでも何処でもずううとみてます！（←キモチワルイ） (2020年9月27日 6時) (
レス) id: cff600fdbd (このIDを非表示/違反報告)
れーんーりー - 最高かよ･･･。応援しておりますね！ (2020年9月23日 17時) (レス) id: cff600fdbd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：たぴ | 作成日時：2020年9月22日 11時
