ただ、きみとだけ。【あんスタ】

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Aちゃんが玲明学園へ転校してから数週間。
なんだか、私はみんなの様子がおかしいことに気づき始めていた。







スバルくんは授業中でもレッスン中でもずっと上の空
北斗くんは何かに取り憑かれたようにずっと練習
真くんはらしくない、真剣な表情で何かを考え込み
真緒くんはずっと落ち込んだ表情をしている。









「ねえ、スバルくん！」

「……」




「北斗くん？」

「……ああ、あんず。ごめん、少し疲れているんだ、放っておいてくれないか……」




「真くん、どうしたの？」

「あっ、あんずちゃん、……ごめんね、何でもないよ」




「真緒くん……大丈夫？」

「ん？ああ……別になんもないよ」









ずっとこんな調子だ。
これはTrickstarだけに言えたことじゃない。

UNDEADも、Knightsも、fineも、
2winkも、Ra*bitsも、流星隊も、
他にもたくさん、色んなユニットが、アイドルが、
確実になにかに取り憑かれたように生気を失っている。









「おかしい……」









おかしいとは思っていた。
Aちゃんが転校してから、みんな笑顔がなくて
思ったようにレッスンも進まなくて、
みんな、集中できてなくて、









「ねえ、皆、もっと元気出そうよ！」

「……あ、ああ、そうだな。すまないあんず」

「そ、そうだよね！」

「ご、ごめんねあんずちゃん！！」

「よしっ、またレッスンはじめようぜ、」









……そうやって、またみんなが無理に笑うんだ。

どうして？何がいけないの？
Aちゃんがいなくなってから、何が変わったの？
何も変わってないじゃない…そりゃ、少し雑用は増えるようになったけど、そんなの大した量じゃないし、
どうして、みんな笑ってくれないの？









私の不安は解消されないまま、日々が過ぎて。
そして、あの事件は起こったんだ───









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