ある日、田舎男がアイドルに連れ去られた話。【あんスタ】

oldstory. ページ8

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「とりあえず、俺早く家に帰ってこいって言われてるんですよ、だから早く帰らないと、」

「ああ、そのことなら大丈夫。
君の両親には許可を得ているからね」

「うそだろおまえ」









こいつ、俺の両親に許可取ってるとかどんだけだよ。
それに母さんらもなんで許可してるんだよ！！！









「い、いやあのさ、無理だから！
うん、無理だから！そんな急にここに就職しろとか言われても、俺まだ高三だし、学生！そう、学生だし！うん、無理だから！！俺高校行かなきゃいけないし───」

「ああ、その話ならちゃんと高校にも話を通してあるよ。君は夢ノ咲学院に転校してもらおうと思ってるよ」

「…………」









は？？いやちょっと待って、え？？
もうどういうことなの。転校ってなに、そして夢ノ咲学院ってどこ。もう俺わかんねえよ。
日本語喋れよ天祥院英智だか夢ノ咲に君臨する病弱の皇帝だか知らないけどさ！！！！(だいぶ知ってる)









「それか、僕と結婚したら就職もしなくていいし高校にも行かなくていいんだけどね？」

「同性結婚は日本では認められてねえよ」

「ふふ、そんなの僕の力があればどれだけでも覆せるさ。どうする？僕と結婚する？」

「エ、エンリョシトキマス」









もうね、ここまで来ると怒りとかも湧いてこない。
どうしてそんなに俺に執着するのかも分からないし、どうしてそんなに俺に高待遇受けさせてくれるのかも分からない。こんな田舎っぺの俺に。









「てかまずなんで、
天祥院英智は俺のこと知ってるの？」

「ああ、言っていなかったね」









随分と昔に会ったことがあるようだけど、俺はこんなおかしいやつ覚えてないし、こんな美形と仲良くしてた覚えもない。









「じゃあ、少しだけ昔話をしようか───」









そう言いながら、天祥院英智は瞳をゆっくりと伏せて、懐かしむようにそれを話し出した。









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