アマリリス (ページ28)

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私の頬に触れた隼くんの手。
真っ赤っか、って笑うの。
誰のせいよ、って言いたいけど言えない。
隼くんってずるい。

「Aさん、25日の夜、空いてますか？」

『え、あ、･･･う、うん･･･空いてると思います、』

「25日夜小森隼。はい、決定！その日は俺が予約。だから他の人と予定入れたらダメだからね？赤パツくんもAさんと予定入れたらダメだからねー！」

『ちょ、ちょっと隼くん？！』

「強制です」

私の頬から離れた手はいつもの間にか私の手と繋がっていて、真剣な眼差しとギュッ、と強くなる手の力にこくん、と頷くことしか出来なかった。

北人「･･･25日ねぇ」

哲也「聖なる夜か、」

「うわ、哲也さんも聞いてたんですか！」

からかいを受けてる隼くん。
哲也さんと楽しそうに私には向けないまだ別の顔をする。

そんな二人を見てると私の隣に北人くんが寄ってきた。

『･･･何その顔』

北人「25日、仕事入れてないですよね」

『うん』

北人「午前中は俺に付き合ってくれませんか」

作業をしながらだけど、私のそばでコソコソっと喋る北人くんはかわいかった。
もちろん、北人くんからのお誘いなんて珍しいから、目を見開いて大きく頷いてしまった。

『もちろん！』

北人「そのまま夜まで一緒に居たりして」

『え？』

北人「いーえ、なんでもないです。はい、あそこの客にチーズケーキ出してきてください」

くるっ、と回転させられた私のからだ。
ぽん、と押された背中の後ろにはイタズラに笑う北人くんがいた。あんな少年な顔、初めて見たなぁ。

私がお客さんにケーキを出す時も、隼くんは哲也さんばっかり。
ちょっと心が寂しかったり、そうじゃなかったり。

" 嫉妬 "

さっきこんな言葉を聞いたから、私の頭の中は隼くんでいっぱい。
哲也さんは昔からの先輩後輩だとは知ってるけど･･･。

･･･きっとこれは、

･･･ううん、やっぱり違う。

クリスマス、楽しみだな。

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