黒ひげという男 ページ23
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黒ひげ「ゼハハ!これでエースは目の色変えて向かって来るだろうよ。」
中継を終えた黒ひげは満足気に笑い、ファミリーが用意した上等な椅子に腰掛けた。
ふと、自分の向かい側に座る女が目に入る。
女は、今の状況に動じないどころか、時折、余興を眺めているような楽し気な様子に、ファミリーとは異質な人間だと、黒ひげは考えていた。
注意深く眺めていた本人と目が合った瞬間、獲物を捕らえたような笑みを浮かべる女に、黒ひげが興味を持たないわけがない。
黒ひげ「良い女連れてるじゃねェか!さてはどっかの国の令嬢かァ?」
ドフ「あァ、コイツは…」
ドフラミンゴが女の名を言うより先に、女は椅子から立ち上がった。
Mrs.「お初にお目にかかります…私の名は、ドンキホーテ・A。“大”海賊の黒ひげ様に会えるなんて、こんな名誉なことありませんわ。」
王に謁見している貴族のような所作に、黒ひげは上機嫌に笑う。
そうして、ドンキホーテの名を自ら名乗った女と、いくつか言葉を交わしたが、
彼女の教養の深さに黒ひげは驚いていた。
黒ひげは、白ひげ海賊団元1番大隊長マルコにも劣らないほどの知識人だ。
そうとは思えない見た目や話し方も、相手を油断させる為のものだった。
何故なら黒ひげは、人間は下の者に見せる姿こそが本質が見えると考えていたからだ。
下品に笑い、海賊らしく野蛮に振る舞う。
それにより、相手は油断し、そして自分の計り知れない所でボロが出る。
取り繕い伺い見られるより、よっぽど分かりやすい。
相手の本質を吟味し、策を練り、目標の為に淡々と歩みを進めてゆく。
黒ひげは見た目や野心こそ海賊らしかったが、彼の策略や思案には、官僚や政治家に近いものがあった。
そんな黒ひげに対し彼女は、裏の問い掛けに気付いたどころか、付け焼き刃ではない奥の深い返答をしてゆく
それに、彼の知的好奇心が刺激された。
この女は、何者なのか。
今や四皇のひとりに数えられる自分に対し、物怖じせず堂々と佇み、会話の中で時折見せる相手を探るような思慮深い瞳に、黒ひげは魅入った。
黒ひげ「……良い女じゃねェか。」
そう言う黒ひげの表情には
わざとらしい下品さは無い。
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シュワっち - グラグラの実はロギア系ではなく、パラミシア系でございます。あとこの小説気に入っております!頑張ってくださいね♪ (2022年11月4日 11時) (レス) @page21 id: 7ee783d5ae (このIDを非表示/違反報告)
名無し - こんなに素敵な夢小説見た事無いです…… (2020年3月23日 8時) (レス) id: a078323fa5 (このIDを非表示/違反報告)
仮面タロウ(プロフ) - ちょんこさん» ご指摘ありがとうございます…!! (2019年10月6日 14時) (レス) id: 2292ab7783 (このIDを非表示/違反報告)
ちょんこ - ヴィオラのセリフ(ルフィのトラ男云々の後)のさっき迄いたハズ、がさっき迄いたバスになってます! (2019年10月6日 11時) (レス) id: 676011e8bc (このIDを非表示/違反報告)
仮面タロウ(プロフ) - 月威さん» ありがとうございます!頑張ります^ ^ (2019年9月30日 20時) (レス) id: 2292ab7783 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:仮面タロウ | 作成日時:2019年9月30日 18時