ピエロの正体を誰も知らない８【トラファルガー・ロー】

【過去編】芽生えた愛１ ページ9

【注意】
近親相i姦の描写があります。
ーーー



ドフ「お前など、鑑賞用の鳥に過ぎない。」





俺以外誰の視界に入らない塔に隔離し、
ひがな一日、ずっと女を眺めていた。

女はそんな俺に黙って従い、毎日を読書や勉学に費やしていた。





ドフ「何故だ、何故何も聞かずに黙って従う。」

Mrs「……私は貴方といるこの空間が嫌いじゃない。だから何も聞かないのです。
貴方は…私と一緒だと居心地悪い？」

ドフ「……いや、そうでもねェ。」

Mrs「なら、良かった。」





俺の母親に、この女は生写しだった。

地獄のような世界でも、聖母のように微笑む母上の笑顔



それが強さに見えた。

だから俺も笑った。



逆境の時だからこそ、狂気と歓喜を混ぜて、笑った。
強さの象徴として、海賊旗にも刻んだ。



俺にとっての強さとは、母親だったのだから



だがこの女は、母上のような笑い方はしなかった。

何にも囚われず、不敵で、そしてどこか俺を哀れんでいるかのような微笑み



違う





ドフ「なァ、どうしてお前はそんな笑い方しかできねェんだ？」





母上はそんな汚ねェ笑い方はしなかった。





ドフ「お前も同じようにすれば、いいのか？」





地獄に落とせば、あの時のように微笑んでくれるのだろうか





ドフ「おい女……」





笑え





その日の夜、俺はこの女を抱いた。





＊＊＊





ドフ「やはりお前は、まがい物だな。」





私にとっては痛いだけの行為で
一方的な暴力だった。

ゴミを見るような目で、私をベッドに捨てる。





ドフ「…似ているのは、みてくれだけだ。」





一瞬だけ見せた哀しそうな表情に
私は、気付いてしまった。

ドフラミンゴは、
ただ、寂しいだけなのかもしれない。



この孤独な世界で、繋がりを、愛を無意識のうちに求め、過去に与えられた母親の無償の愛を欲し、
私にそれを求めたのだろう…と



そんな事を考えていた時点で
とっくにあの人を愛(ゆる)していたのだろう。





私はシーツを手繰り寄せ
芽生えた愛に泣いた。

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