ピエロの正体を誰も知らない８【トラファルガー・ロー】

愛が為１ ページ23

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次に目覚めた場所は
船の上だった。

国を救ったとはいえドレスローザの立場上、海賊達を長居させるわけにはいかなかったのだろう。





貴方「…ふふ、本当に優しい人。」





私が眠っていたベッドに突っ伏すように寝ているローに、思わず笑みが溢れる。

起こすのも悪いと思い、彼が起きないよう肩に毛布をかけ、私は部屋を出た。



宴を開いているらしく、向こう側から陽気な笑い声が聞こえてくる。

夜風が心地良い。



そうして甲板から暗い海と星空を眺めていれば、背後から不意に抱きしめられた。





ロー「起きたならそう言え。」

貴方「ごめん、…もしかして心配した？」

ロー「当たり前だろう。」





私の肩口に顔を擦り付け、くぐもった声が耳元から聞こえる。

ローの顔が見たくて、背後から抱きしめられた状態のまま腕の中でくるりと半回転し彼を見上れば、

心底機嫌の悪そうなローの顔がそこにあった。





貴方「……今の私は、ローの行く末を曇らせる…霧のような存在になっているようだね。」

ロー「俺にとって、Aはトラウマそのものだ。」





苦しげに眉間にシワを寄せ、吐き捨てるようにローは言った。





ロー「愛の為に死ねるなんて…まるで…！！」





それから先は言葉にする事はなかった。
口に出さずとも、お互いに同じ人が浮かんでいたからだ。





貴方「私は、カイドウを倒す事も、ワンピースにも興味は無い。彼女がドフラミンゴに対しそうであったように、愛する人の為に生きる事が私の夢であり希望だ。」





ロシーがそうであったように、ローの為なら私は死ねる。





貴方「だから、私を置いて行け」





その言葉は
自分が思っているより弱々しい声だった。

愛が為２→←彼女は、死んだ。

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