ピエロの正体を誰も知らない８【トラファルガー・ロー】

ショーの終幕１ ページ20

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電伝虫の中継は全世界へと繋がれた。



『中継をご覧の紳士淑女の皆様…

私は、怪盗紳士ピエロそして…ドンキホーテ・ドフラミンゴの実の子供
ドンキホーテ・Aと申します。』





突然の告白に、画面の向こう側では皆騒然とした。

そして、この中継の存在を知ったどの人間もこれからの展開を見逃さないよう、食い入るように映像を見ている。


中継の先にいるピエロ面を付けたその女は、
金色の髪に、真っ白な純白のワンピースを着て、戦闘で血のついたドフラミンゴのピンクのコートを羽織っている。

挑発するようにニヤリと妖しい笑みを浮かべる、その仕草全てが

ドフラミンゴを彷彿とさせた。





『2年前、頂上戦争の処刑台の上から始まった、ピエロのショーは如何でしたでしょうか。

ショーもいよいよ、終盤…』





足元には、ボロボロになりながらもピエロの腕を掴み、何かを訴えようとしているドフラミンゴの姿があった。

その姿は命乞いをしているようにも見える。





『ドンキホーテ・ドフラミンゴは、2人の海賊ルーキーを前に敗れた。』





ピエロはドフラミンゴにピストル構え





『そして…』





次の行動に、皆は息を呑んだ。

実の父親であるはずのドフラミンゴに対し、ピエロは容赦なく銃弾を浴びせたのだ。
腹、胸、頭の順番で、3発の銃弾が体に撃ち込まれ、力なく倒れた。





『今殺した。』





ドフラミンゴはピクリとも動かない。

画面の向こうの人間は、動揺する者、怒る者、笑う者、疑う者、実に様々だった。





『ドンキホーテ・Aの拉致は全て自作自演。怪盗紳士ピエロは、全ては実の父、ドンキホーテ・ドフラミンゴを殺す為に作られた偶像に過ぎない。』


『私は、海軍にとって不利な情報を手にし、マリージョアのある“秘密”を知っている。
…父ドフラミンゴがジョーカーとして付き合いのあった連中の取り引きの内容もだ。』


『私は今日この瞬間から、海軍・政府・海賊から追われる身となるだろう…
フッフッ、全く…死んでからも迷惑な父親だ。』


『だが、他人に殺される…ましてや父親の尻拭いで消されるなんて、真っ平御免だ。』





『そこで、今回のショーを開いた。』

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