ピエロの正体を誰も知らない８【トラファルガー・ロー】

“私”を受け入れて？ ページ18

.



Mrs「ドフィは私に見返りの無い愛をくれた。…今度は私が貴方に与える番よ。」





だから受け入れて？
そう言えば、ドフィは凄まじい剣幕で私を睨んだ。





ドフ「傲慢だと思わねェのか！？俺の行手を塞いで、俺の理想を踏みにじってまで「愛を受け入れろ？」ふざけるな！！」

Mrs「アナタの行先の理想が、アナタ自身の破滅を意味しているからよ。私はドフィを愛している。だからこそ、その破滅から救う為に私はここにいるの。」

ドフ「それを傲慢だと言ってんだ！！頼むから俺の邪魔をしないでくれ…！よりによってお前が…
こんな腐った世界に、これ以上俺を捨て置かないでくれ。」

Mrs「…もういい、もういいのドフィ。世界を呪い恨み憎まなくても…」





幸せになりたい、自由になりたい
…そう願うのはけして悪じゃない。

悪かったのは、アナタの居場所



歪んだものが正しいとされた、聖地マリージョア

彼を王とし、それを存在価値としたドンキホーテ海賊団

ドフラミンゴの居場所こそが、歪んでいた。





ドフ「この世界の人間と俺は違う。アイツら人間は操られるだけの存在だ。…俺とは血から違う。」

Mrs「いいえ、アナタは他の人と同じ“人間”よ。アナタはよく、操られる側に生まれたその血を恨めと言っていたけれど、本当に憎んでいるのはドフィ…アナタ自身じゃなくて？」





王は孤独だ。

理想と尊厳を身に纏い、いつだって隙を見せられない。

そんな弱さを見せられない王へと祭り上げられたドフラミンゴは、きっと孤独だっただろう。



だから、もういい。
世界を壊すことを自分の居場所だと思わなくていいんだ。

だってアナタはもう孤独じゃないもの。





Mrs「アナタのこの先の人生に、復讐以外の世界が見えることを祈っているわ。」

ドフ「A…お前何をする気だ。」





傲慢だと思われてもいい。

それでも、今までのシガラミを取り払い、
ドフィに“自由”を与えたい。



…たとえ、それが少しの時間だとしても





Mrs「貴方を形作るその全てを愛してる…大好きよ。ドフィ」

ドフ「＿＿A！！」





＿＿“凪”(カーム)

理屈じゃないんだ。→←世界は美しい

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す