ピエロの正体を誰も知らない８【トラファルガー・ロー】

愛してるの差 ページ16

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ロシーに引き取られたその日
あの人は突然とんでもない事を言い出した。





ロシ「復讐なんてやめだ！今日からAは俺と暮らす。」





ドフラミンゴのことは俺に任せろと言っていたが、母の復讐の為に育てられた私にそんな言葉は受け入れられなかった。

そこで私は、受け入れるかわりに彼に以下の条件を出した。



能力で分裂し、その片割れを
政府の指令により、あらゆる情報を探り出すCP(サイファーポール)へ、
本体は海軍へ、それぞれ所属させろ。

…というものだった。



それが何を意味するのかロシーは察していたようだったが、彼はその条件を受け入れ、
なら、別れる前に記念撮影しようとカメラを持ち出して来た。





ロシ「おいおい！何で俺とAひとりだけなんだ？カメラ持ってないでお前もこっちへ来いよ！」

貴方「何故？Aは既に貴方の隣にいるじゃないですか。」

ロシ「俺は3人のお前らと写真が撮りたいんだ！」

貴方「元の身体に戻れば、それは全て私です。」

ロシ「なら、分かれている間はそれは個になるだろう？」





さも当たり前かのようにロシーはそう言ったが、私にとってその言葉は衝撃的だった。

確かに私達は、元に戻ればAとなる。

けれど、分裂している間は、それぞれが別の事を感じ学び、それに対して思う感情があった。



傀儡のような分身ではなく、私たちは生身の身体を持ったA自身なのだから…

それを当時の私は正しく認識していなかった。





Mrs.Aが本体に戻れなくなった今、
一番この能力を使う事の意味を知っていたのは他でもないロシーだったのかも知れない。



ドフラミンゴに対し、歪んだ愛を育んでしまったMrs.Aも

かつては憎み妬んだ相手、トラファルガー・ローに恋をし愛してしまったピエロのAも



どちらも“A”の人生であり
優劣などない、尊いものだ。





愛したのが早かった
ただ、それだけの差だった。

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