133_最初の奇跡 ページ41
No side
「無免許の医者に執刀させたとはどういうことだ！？すぐに警察に突き出してやる！！」
2人しかいない医院長室に、怒号が響いた。
「本当にいいんですか？」
激昂する男に対して、恐ろしいくらいに冷静で落ち着いた声だった。
なにを、と口から出た言葉は不意に途切れる。
病院の資金を不正に使っていた横領の証拠を、風戸はパラパラとめくっていたのだ。
「随分と使い込んでいるようですねぇ。」
「…そ、それは、」
「可笑しいと思っていたんですよ。手術中の医療事故を何度も起こす男が、何故病院から解雇されないのかと。」
仁野保
東都大学附属病院の外科医。腕や性格も悪く同僚からの評価も最悪だった。
患者から金を搾れるだけ搾り取り、無理な手術
を引き受けては失敗の連続。
当時、“黄金の左腕”と謳われ将来を嘱望されていた外科医、風戸京介との手術中、仁野に利き手首をメスで切られ、それが原因で患者は亡くなった。
手術で使い物にならなくなった自身の左腕を睨み付けた後、風戸は目の前にいる医院長へと視線を上げた。
先代医院長、亡き父親の後を継いた次代医院長。
三流大学出身で、手術どころか論文すらろくに執筆できない、甘やかされてブクブクと肥育った育った豚。
そんな世間知らずのお坊ちゃまを、あの金に目敏い男が放っておくわけがない。
「横領していたことを脅されていたのでしょう？仁野に」
「ま、まさか…！お前も俺のことを脅す気か！？」
「僕はあの男とは違います。貴方に提示する要望はたったひとつだけ。」
風戸は、背筋がゾッとする笑みを浮かべた。
それを目の当たりにした医院長の赤ら顔から血の気が失せ、絶望が見える。
理解できない生き物に対する畏怖だった。
「“今後も彼女の執刀を許可しろ”それだけです。」
初めて見る風戸の本性
気圧され、緊張や恐怖から身体中の毛穴から汗が吹き出す。
「だ…だが！他の医師にバレたらどうするつもりだ…！？」
「…何を仰いますか。」
風戸の顔から、表情が消えた。
「揉み消すのはお得意でしょう。」
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仮面タロウ(プロフ) - 深月さん» ですよね！！！夜の美術館とか似合いそうだなぁと思って書きました！いつかは夜のシチュエーションも書いてみたいですね(^^) (2022年8月21日 11時) (
レス) id: 2292ab7783 (このIDを非表示/違反報告)
深月(プロフ) - ジン……！！！！休日に一人で美術館巡っているとか可愛すぎます！そして、わかりみが深いです、ジン美術館好きそう（笑）続き楽しみにしています。 (2022年8月16日 21時) (レス) @page44 id: 8da4958f2c (このIDを非表示/違反報告)
仮面タロウ(プロフ) - 小宮瑠璃さん» 嬉しい…！ありがとうございます！！ (2022年7月26日 22時) (レス) id: 2292ab7783 (このIDを非表示/違反報告)
仮面タロウ(プロフ) - あお。さん» コメントありがとうございます！現在元気に3股してます！笑 これから4になるのか、もっと増えるのかは乞うご期待！！ (2022年7月26日 22時) (レス) id: 2292ab7783 (このIDを非表示/違反報告)
小宮瑠璃 - 仮面タロウさん» めっさ楽しみですぅっ！！完結まで私はこの作品を推し続けます！！ (2022年7月25日 22時) (レス) id: dbce0c6b80 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：仮面タロウ
| 作成日時：2022年6月28日 12時
