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Aside



「…なぜ?」

「もしかしたら、王子様はとんでもない病気にかかってるかもしれません。」

「え?」

「今からその診察をしますから、そこのベットへ仰向けになって寝てください。」



そう私が言えば、若干疑うような顔をしつつもバーボンさんはベットへ横になった。

「言ってみるもんだな」と思いながら自分の手のひらで彼の目を覆う。



「……なにを、しているんです。」

「まずは肺の上下運動から診ていきます。息を吸って…そう、吐いて…」



そうしているうちに、診察室の明かりを少しだけ暗くし、目の上に蒸しタオルを置いた。

題して、美容院でシャンプーされるとき目の上にタオル置かれると、それだけで眠くなっちゃうよね作戦。

蒸しタオルにするあたり、私も策士ね。



「今から機材を取って来ますから、そのまま目を瞑った状態で待っていて下さいね。」

「……はい」



そうして、部屋を出て10分後


頃合いを見計らって戻って来ると、王子様は静かに寝息を立てていた。

しめしめ、よく寝てる。


風邪をひかないよう彼に毛布をかけるため、そうっと手を伸ばしたが…



「…狸寝入りだったんですね。」

「生憎、そこまで僕の警戒心は低くはないんでね。それに、君も僕のことを騙しただろう?」



毛布を持つ私の腕を掴みながら睨むバーボンさん。

濃いクマをこさえた目で睨まれても、何の凄みもない。



「はぁ…では改めて言わせてもらいます。今から最低7時間はここから出しません。寝てください。」

「……は?何言ってるんですか」

「この後の仕事は無いはずです。先ほどウォッカにも確認しましたから間違いないでしょう。もし、 別に組織以外で外せない仕事があるなら、私を同行させて下さい。」

「そこまでされる筋合いはありません。」

「ドクターストップです。」

「僕はこんな所で寝たくは」

「バーボン。」



普段の王子様呼びでもさん付けもせず、咎めるようにその名を呼んで、はじめて目が合った。



「死にたいの?」

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仮面タロウ(プロフ) - 深月さん» ですよね!!!夜の美術館とか似合いそうだなぁと思って書きました!いつかは夜のシチュエーションも書いてみたいですね(^^) (2022年8月21日 11時) (レス) id: 2292ab7783 (このIDを非表示/違反報告)
深月(プロフ) - ジン……!!!!休日に一人で美術館巡っているとか可愛すぎます!そして、わかりみが深いです、ジン美術館好きそう(笑)続き楽しみにしています。 (2022年8月16日 21時) (レス) @page44 id: 8da4958f2c (このIDを非表示/違反報告)
仮面タロウ(プロフ) - 小宮瑠璃さん» 嬉しい…!ありがとうございます!! (2022年7月26日 22時) (レス) id: 2292ab7783 (このIDを非表示/違反報告)
仮面タロウ(プロフ) - あお。さん» コメントありがとうございます!現在元気に3股してます!笑 これから4になるのか、もっと増えるのかは乞うご期待!! (2022年7月26日 22時) (レス) id: 2292ab7783 (このIDを非表示/違反報告)
小宮瑠璃 - 仮面タロウさん» めっさ楽しみですぅっ!!完結まで私はこの作品を推し続けます!! (2022年7月25日 22時) (レス) id: dbce0c6b80 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:仮面タロウ | 作成日時:2022年6月28日 12時

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