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103_ユダの接吻 ページ11

バーボンside


笑ったり、泣いたり、怒ったり
ころころと変わるヒロの表情が、僕は好きだった。


そんな僕の中にある尊い思い出が、死の間際の苦しみ悶え動かなくなったスコッチへと塗り替えられていく。

嫌だ、忘れたくないのに。

僕の思いを嘲笑うように、心にあった大切なものが底の無い沼のようなものに引き摺り込まれていく。


隣にいたライが僕に話しかけているが、何を言っているかも分からない。



「──どいて!!」



やけに鮮明に聞こえてきた声に、顔を上げる。

スコッチを蹴落としたはずの少女が、動かなくなった親友へ心臓マッサージと人工呼吸を施していた。



「スコッチ!スコッチ!!」



少女は親友の着ていたシャツをハサミで切り破り、あらかじめ持っていたのであろう携帯用AEDを体に当て、電気ショックを与える。


何度も

何度も

何度も



「嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ!!」



電気ショックの衝撃で跳ね上がるだけで、一向に息を吹き返す気配は無い。

それをタバコをふかしながら愉快そうに眺めるジン



「嫌だ…嫌だ…」



しばらくすると、ゼンマイ式人形のように少女の動作が次第に鈍くなり

そして、ピタリと止まった。



「ックク、満足したか?」

「………兄さん、お願いします…スコッチの体を…私にください。」



ダメだ。それだけは死守しなければ

心の奥底にある沼から這い上がり、バーボンとしての仮面を無理矢理かぶる。



「ダメです。スコッチの死体は僕が預かります。調べる事もたくさんありますしね。」

「あなたには聞いてない。──ジン。」



少女に名前を呼ばれたジンの動作が、ピタリと止まった。

その声色には懇願も何も無い。

ただ静かに、ジンの名を呼んだだけだった。



「お願い。」



ひとつ、付け加えるのなら、少女の銀色の瞳にジンが映っていたことくらい。



「……いいだろう、お前の好きにしろ…A」

「は!?待ってください!そんなの認められるわけ「バーボン」

「くどいぞ」



そうして遺体は、少女の手に渡った。

なんとかスコッチの携帯端末だけ回収できたが、その端末は先程の電気ショックで焼き切れていた。



「──どうして」

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仮面タロウ(プロフ) - 深月さん» ですよね!!!夜の美術館とか似合いそうだなぁと思って書きました!いつかは夜のシチュエーションも書いてみたいですね(^^) (2022年8月21日 11時) (レス) id: 2292ab7783 (このIDを非表示/違反報告)
深月(プロフ) - ジン……!!!!休日に一人で美術館巡っているとか可愛すぎます!そして、わかりみが深いです、ジン美術館好きそう(笑)続き楽しみにしています。 (2022年8月16日 21時) (レス) @page44 id: 8da4958f2c (このIDを非表示/違反報告)
仮面タロウ(プロフ) - 小宮瑠璃さん» 嬉しい…!ありがとうございます!! (2022年7月26日 22時) (レス) id: 2292ab7783 (このIDを非表示/違反報告)
仮面タロウ(プロフ) - あお。さん» コメントありがとうございます!現在元気に3股してます!笑 これから4になるのか、もっと増えるのかは乞うご期待!! (2022年7月26日 22時) (レス) id: 2292ab7783 (このIDを非表示/違反報告)
小宮瑠璃 - 仮面タロウさん» めっさ楽しみですぅっ!!完結まで私はこの作品を推し続けます!! (2022年7月25日 22時) (レス) id: dbce0c6b80 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:仮面タロウ | 作成日時:2022年6月28日 12時

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