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Aside
『本当にこの回線安全なの?』
「ヒロキ君が変態改造した回線だから大丈夫だよ。」
私がそう言えば、明美さんは画面越しでホッと胸を撫で下ろし、志保ちゃんは『もっとマシな言い回ししなさいよ』と呆れた顔をした。
「今この回線から交わされる通話は組織どころか現代における人類の知恵を結集したとしても盗聴する事が出来ないらしいよ。」
『…変態ね』
「でしょ?」
でも、死神もビックリなお薬を製造しちゃってる志保ちゃんも私からしたら超人だ。
とうとう人類を越えだしたヒロキ君といい、私の友人達は一体何者なんだろう…?創造主??
「変態回線と言っても何があるか分からない。だから本来は緊急時以外使わないようにしようと思ってたんだけど…」
『それなのに連絡してきたってことは…何かあったのね。』
不安げに眉をひそめる志保ちゃんに、モニター越しで頷く。
スコッチ粛清(仮)に関しての余波は、思っていた以上に何も無かった。
兼ねてからスコッチと交流があった私やライさんだけではなく、バーボンさんに対しても何のお咎めなし。
静かなのがかえって不気味だ。って赤井さんが言うくらいに何もない。
けれど、たったひとつだけ制限されたことがあった。
「志保ちゃんのカウンセリングの担当、クビにされました。」
『え!?突然どうして…!?』
「私もよく分かってなくて…」
『志保たちのお友達の男の子…ヒロキ君のカウンセリングは外されなかったの?』
「はい。理由は分からないですけど…」
ただ単に、ヒロキ君は常に組織の監視が厳しいからこのままでも大丈夫だろうと思ってのことかもしれないけど…こればっかりは分からない。
実はヒロキ君とは通話を繋げていないのも、これが理由だったりする。
『とりあえず、その子の担当だけでも外されなくて良かったわね。』
『そうね。…ひとりは孤独だもの』
ヒロキ君の心配をしつつも、目に見えて落ち込む志保ちゃん。
そんな妹を気遣いつつ、明美さんは何やら難しい顔をしていた。
「……私に考えがあるわ。」
『本当に!?お姉ちゃん!』
両肘を机の上に立て両手を口元で組み、真剣な眼差しでこちらを見つめる明美さん。
その背後に映る、美少女2人が寄り添っているピンク表紙の漫画本に、自分の顔がひきつったのがわかった。
「ま、まさか…」
ーーー
作者
宮野姉妹に『変態』と言わせたかった。悔いはない。
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仮面タロウ(プロフ) - 深月さん» ですよね!!!夜の美術館とか似合いそうだなぁと思って書きました!いつかは夜のシチュエーションも書いてみたいですね(^^) (2022年8月21日 11時) (レス) id: 2292ab7783 (このIDを非表示/違反報告)
深月(プロフ) - ジン……!!!!休日に一人で美術館巡っているとか可愛すぎます!そして、わかりみが深いです、ジン美術館好きそう(笑)続き楽しみにしています。 (2022年8月16日 21時) (レス) @page44 id: 8da4958f2c (このIDを非表示/違反報告)
仮面タロウ(プロフ) - 小宮瑠璃さん» 嬉しい…!ありがとうございます!! (2022年7月26日 22時) (レス) id: 2292ab7783 (このIDを非表示/違反報告)
仮面タロウ(プロフ) - あお。さん» コメントありがとうございます!現在元気に3股してます!笑 これから4になるのか、もっと増えるのかは乞うご期待!! (2022年7月26日 22時) (レス) id: 2292ab7783 (このIDを非表示/違反報告)
小宮瑠璃 - 仮面タロウさん» めっさ楽しみですぅっ!!完結まで私はこの作品を推し続けます!! (2022年7月25日 22時) (レス) id: dbce0c6b80 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:仮面タロウ | 作成日時:2022年6月28日 12時