2nd Event story▼Trick or Treat？＠壱 ページ27
※サソリさんと二十八年ぶりのハロウィンを楽しむお話。
※前回と比べると甘めになるかもしれません(^q^)
＊＊＊
「Trick or Treat」
対面式キッチン越しで言われた言葉に、私は皿洗いのために動かしていた手を止めざるを得なかった。
その時に綺麗な発音だなぁ、と感心したのは秘密だ。
「急にどうしたの？」
「……今日はハロウィンだろ」
「あ、」
その言葉に私はようやく今日が10月31日だということを思い出した。
そして私の世界では“ハロウィン”と呼ばれている日だということも。
とりあえずお菓子を要求されたので私はお菓子をあげなければならない。
私は紅茶のお供として買っておいたクッキーを三枚ほど手に持つと、「二十八年ぶりだね」と言いながらサソリくんの手のひらの上に乗せた。
「Trick or Treat、サソリくん」
続いて今度は私の方から仕掛けてみれば、どこか残念そうに、そして不服そうに、先程あげたクッキーを一枚渡された。
「A」
「ん？」
「菓子をくれたことに対しては礼を言うが……覚えておけよ」
「えっ」
▼
それからしばらく。
10月31日……ひいてはハロウィンが終わろうとしたその時、サソリくんが再び「Trick or Treat」と仕掛けてきた。
「もしかしてお菓子足りなかった…？」
今考えてみれば成人男性にクッキー三枚は少なすぎたのかもしれない。
そう考えた私は台所の棚にあるお菓子を複数個持ってこようと座っていたソファから立ち上がった―――が、
「そういうわけじゃねェよ」
「？じゃあなんで…」
「言ってみただけだ。“一日一回だけしか言わない”という決まりはないだろう？」
そうしてサソリくんの手によってソファに戻された私は、何故か頭の上から洗濯したてのシーツを被せられる。
彼曰く「簡単な幽霊の仮装」とのこと。
「……前もって準備すべきだったな」
「ううん、そんなことないよ。これも立派な仮装だし」
シーツの裾をつまみながら笑って返せば、同じく口角を上げたサソリくんの口から鋭い牙が見えた。
「あれ、サソリくんそれって…」
「あぁ…これか。一応この日のために試しに造った牙を取り付けてみたんだが……まぁ、こんなもんでも立派な仮装の一つだろ。――ということで、いたずらさせろ」
「え、……え!?」
狼狽える私をよそにサソリくんは妖しい笑みを浮かべながら覆い被さってきた。
両頬に手を添えられれば、自分の顔が瞬時に赤く染まっていくのが分かる。
2nd Event story+▼Trick or Treat？＠終→←1st Event story++▼Happy★Halloween＠終
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龍國(プロフ) - 今更なんですけど…この小説の為にイラスト集を作りました。動画の件も兼ねて。http://uranai.nosv.org/u.php/novel/Scorpion1113/です。パスワード保護してるので、気を付けて下さい。パスワードはimage1108です。いつでもいいので、良ければ見てみて下さい。 (2017年4月8日 22時) (
レス) id: 74e8f5354a (このIDを非表示/違反報告)
龍國(プロフ) - μ×μさん» 私もそれがいいと思ってました( ^ω^ )最初に迷子になってるのも、最終的に消えてしまうのも夢主の方だと思いますので(勝手ですが)。ですが歌詞にそのまま当てはめたら、サソリは一体誰から裁きの矢を受けるのでしょうか……(^_^;) (2016年11月17日 23時) (レス) id: 74e8f5354a (このIDを非表示/違反報告)
μ×μ(プロフ) - 龍國さん» 知ってますよ(*ﾟ∀ﾟ)私が好きな曲です。そうですね…歌詞通りに当てはめればサソリさんが堕天使の方な気がしますが、意外と闇が深い夢主さんにも堕天使が似合いそう…。なのであえて夢主さんの方を堕天使にしたら面白そうですね！あ、本編は修羅場になりそうです((( (2016年11月17日 22時) (レス) id: 502f41f923 (このIDを非表示/違反報告)
龍國(プロフ) - 曲のイメージがまるで合ってなかったらごめんなさい(ｰ ｰ;)ただ私的には、どちらもあり得るような気がして何とも言えなくて。それと本編の続きが気になって仕方ないです(=´∀｀)人(´∀｀=) (2016年11月17日 20時) (レス) id: 74e8f5354a (このIDを非表示/違反報告)
龍國(プロフ) - 突然ですが、ボカロの「秘蜜〜黒の誓い〜」をご存知ですか？ その曲に本作品を当てはめるとしたら、夢主とサソリどちらが堕天使の方だと思いますか？ 性別は考慮に入れずにお願いします。突然すみません、完全に思い付きですので。 (2016年11月17日 20時) (レス) id: 74e8f5354a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：μ×μ | 作成日時：2016年10月16日 0時
