私の彼氏はニセモノです。3【赤司征十郎】 (ページ10)

今日:3 hit、昨日:9 hit、合計:13,199 hit

＋90＋ページ10

そして赤司君は今寝ている。

なんというか桃井さんの作ったものの威力は凄いな。

まぁ桃井さんも悪気はないみたいだしあんましそう言うことを考えるのは可哀想だ。

はぁ。今頃皆は何をやっているのだろう。

少し気になる。見に行こうかな。

そう思って

「少し見に行ってきます」

と告げた。

そして立とうとするとバランスを崩した。

赤司君が私の腕をつかんだのだ。

驚いて彼の顔を見ると眼を薄く開け

「行くな。ここにいろ」

と小さく言った。

『あの』赤司君が甘えてる！？

私は驚きで二の句が告げない状態だった。

二の句は告げないけど声は出た。

「え？あわわ」

そしてバランスを崩したまま赤司君の上に倒れこむ。

思わず目をつむってしまう。

あ、でも正確にいえば少しわきに倒れこんだ、かな。

そうして倒れて眼を開けるとすぐそばに赤司君の顔がある。

少し赤く上気した色白な肌に赤と黄色の透き通った眼。

その眼がまっすぐこちらを向いている。

私もまっすぐ赤司君を見る。

そうして一瞬目が合い二人とも同時に眼をそらす。

雰囲気が重く……はないんだけどなんというか居にくい。

だからもう一度さっきと同じようなことを言う。

「み、皆の所に行ってきます」

今度なら承諾してくれるかなと思った。

でも赤司君は

「行くな、と言っただろう？」

と少し眼をそらして言う。

そしてなんというかその

……後ろから抱きしめられた。