I wish 11 ページ25
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櫻井と気まずくなって以来、ひとりで過ごしている松本。
それは別に傷心だからでなんでもなく、もともと人と行動するのが嫌いなだけ。
そんなことも知らない櫻井が自分を気にかけていることに気がつくはずもなく。
ばったり顔を合わせて櫻井に気を使わせるのも申し訳ないと思い、松本は櫻井を避ける生活をしていた。
松本は傷心どころか、心の中はメラメラと怒りで燃えていて。
どうやってあの今井から櫻井を引き剥せるかということばかり考えていた。
もう自分が櫻井を好きなことは伝わってしまったのだから、怖いものはない。
強引にでも奪いに行こうかと頭で考えながら、午後の授業はサボろうと門に向かって歩く。
そしたら後ろから名前を呼ばれて、振り返る間もなく腕に抱きつかれた。
｢まつもとー！｣
｢うわ、なんだよ｣
｢さぼりー？昨日LINEしたんだけど見た？｣
｢見てない｣
｢嘘つけ、既読ついてたっつーのー｣
抱きついてきたのは大学に入学してからやたらとグイグイくる女子。
別に松本のことが好きな訳ではなく、ちょっかい出すたびに包み隠さず嫌そうな顔をする松本を見て楽しんでいるだけ。
それを分かっている松本は、特に振り払わずにまた歩き出す。
｢今日合コンあるって誘ったのにー｣
｢行かねえよ、俺好きな人いるから｣
｢あっそ。つまんないの｣
そう言って腕を離し、また誘うからねーと校舎に戻って行った。
誘われても行かねえよと心の中で思いながら、また歩き出したところで背中に衝撃を感じた。
今度はなんだと振り返れば、そこには息を切らした櫻井。
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血濡れ蛍 - ぽっぷ様、お久しぶりです。ぽっぷ様の作品の、ストーリー性や、表現の仕方に感動しながら読みました。特に、『ハッピーエンドにさようならを』を読んで、思わず涙が出てしまいました。今後も期待しています♪ (2021年4月2日 13時) (
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作者名：ぽっぷ
| 作成日時：2021年1月11日 0時
