大嫌いなひと【不死川実弥】

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『…………』





「A、？大丈夫？」




無言の中名前を呼ばれハッとする





『ごめんね、変なところ見せちゃって…
あとありがとう、友達って言ってくれて嬉しかった』






「全然大丈夫だよ、でもAが目の前で罵声されてるのを見てつい我慢できずに言っちゃった」






そう言うとははっと苦笑いをした彼
本当に優しくて強いひとだな、








「…じゃあ、気持ち切り替えてお蕎麦食べにいこ！」

私はその言葉に頷いた







その日から炭治郎といる時間が増えた

彼とは家が近い事も知り、とても仲良くなった



炭治郎といると自信が湧くし最近はよく笑えるようにもなった
一緒にいてとても心地がいい、そんな存在だった









わざわざ私の元に来て罵声をあげる彼とはもう1週間近く会っていない

同じ任務にむかえと鎹鴉に言われた事もあったが仮病を使ってやすんだ。
商店街で起きた事もあって今は特に会いたくない

私は彼に見つからないようコソコソ生きていた









ーーあれから数日後ーー



「カァカァ
キュウソク、キュウソク！フショウニツキ、カンチスルマデキュウソクセヨ」




いててててて、
今回の鬼強かったし、多分これ肋骨折れちゃってるな、このタイミングの休息はありがたい

今日は家まで帰るのきついし、藤の家紋に泊めてもらおう







角を曲がり、藤という門が見えた頃

見覚えのある人影に足を止めた







『……………』






出来れば会いたくなかった
このままずっと逃げていたかった




「久しぶりだなァ」




何故あなたがここにいるの？

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