検索窓
今日:5 hit、昨日:4 hit、合計:21,619 hit

壱. ページ3

僕は、神様に拾われた。

その神様たちは刀剣の神様だという。刀に宿る付喪神。そういった。
だけど、最初は泣いた。泣きわめいてしまった。




「なんでっ……!っじゃあなんで!
なんで僕たちを救ってくれなかったの……っ……!」




でも、神様たちは云った。

泣きわめく僕を優しく抱きしめて一つ、耳元で囁いた。
「お前は神に嫌われた子だ」と。


でも、神様は云った。僕の頬を優しく撫でて、一つ瞼に接吻を落として。
「だけど、俺たち刀の神には好かれた忌み子だ」と。そして「俺たちがお前の言う神になろう」とも言ってくれた。



優しい神様だった。世界の、残酷な僕たちを救ってくれない神様なんかとは比べ物にならないくらいとても優しい神様だった。
もし、僕が人間に触れられようものならば蔑む目で人間を見て全て切り刻んでくれた。




「もし、この子に二度も触れようものなら――


鬼だろうと、斬っちゃうよ?
あぁ、でももう斬られちゃったか……。ねえ?人間」





僕が何をしても彼等は怒らずに、ただ微笑んで許してくれた。




「俺たち神は許そう。お前を。

だから、お前は何をしてもいいんだ、A。
人を叩いてもわがままを言っても、俺たち神が許すんだから何をしてもいい」






だけど、僕が自分の存在を否定した時だけ怒った。





「Aくんっ……!何度、何度言えば判るんだい!
……ああ……ごめん、怒るつもりはなかったんだ。

でもね、よく聞いてほしい。君は本気でそう思っているのかい?

なんで君はそう直ぐに自分を否定するんだ。君がいるから、僕たちが人の形を取れる。
君は薄汚れた人間なんかじゃない。神に愛された神の子だ」






僕の我儘に、彼等は必ず答えてくれた。

あれが欲しいとねだれば買ってくれた。あれが食べたいと言えば作ってくれた。





「おまんが政府を滅ぼせ、世界を滅ぼせ言うたらわしらは喜んで滅ぼすちや」





そんな彼等は、日に日に僕の中で存在が大きくなった。

本丸では、(刀剣男士が)喧嘩をすることもあったけど僕らが大っ嫌いな人間との干渉もなかった。政府とのかかわりも断ち切った。

彼等は一生干渉してこない。
そんな平和な毎日を送っていた。



あくる日――





大っ嫌いな人間がやってきた

弐.→←名簿帳.



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (41 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
72人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

推し達愛されたい(プロフ) - 更新待ってます!(p`・ω・'q*) (2021年9月19日 12時) (レス) id: eb578b821e (このIDを非表示/違反報告)
深夜 - どストライクで好きです!これからもがんばってください (2021年4月4日 14時) (レス) id: ac9ea2622c (このIDを非表示/違反報告)
夜桜 - この作品大好きです!応援してます(p`・ω・´q)ファイト!更新待っています!!!!!頑張って下さい!! (2021年1月1日 15時) (レス) id: b56337ada7 (このIDを非表示/違反報告)
乱数 - 更新待ってますぅー!!!!!!!めっちゃ好みなんだけどぉ!?この小説!!作者さんありがとぉ!!!!! (2020年10月24日 19時) (レス) id: caaaa82ffc (このIDを非表示/違反報告)
じじい - あるぇ更新ェ… (2020年5月23日 22時) (レス) id: 4b35f08325 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作成日時:2020年2月18日 17時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。