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みんなという中にはもちろん自分も一応は含まれているわけで、少し、三神先輩の特別になった感じがして嬉しかったのを覚えている。
なんて物思いにふけっていれば
『それで影山くんはいつまでそうしてるのかな。
日向くんはもう部室行っちゃったよ?』
そう言ってこちらに手を向けてくる先輩。周りを見渡せば確かに日向の姿はなくて、今の今まで一人寝転がっていたことに恥ずかしさが込み上げてくるけれど、今の自分は目の前の両手をとるかとらまいかと葛藤していた。
迷って手を上げ下げする俺にどうしたの?というように首を傾げる先輩。普通の女子ならばあざといと思えるその行動すら三神先輩ならばただただ可愛く見えてしまうのだから恋とは偉大なものだと改めて思う。
そんな迷いの末手を差し伸べて恐る恐る小さく白い手にそっと触れると彼女は待ってましたというように俺の手をぎゅっと握って立ち上がらせようと引き寄せたその時だった。
ふわりと一際強い風が靡いて木々の葉がざわざわと揺れ動く中、目の前にあるひらりとした先輩のスカートが、まるで漫画かのように綺麗に捲れあがった。
「え」
『あ』
白のレース。
バッチリと見えてしまった下着であろうそれに顔どころか全身に熱が溜まった。
なぜズボンのひとつも履いていないのかなどという疑問が頭の中で飛び交う中、それでも体は反射的に握っていた手を離してしまって、床に思い切り尻もちをつく。
少しの衝撃に痛い、なんて思うけれどその後にやってきた胸元への衝撃に一瞬心臓が止まった。気がした。
恐る恐る顔を下に向ければ、こちらを見上げる先輩の目と目が合って、ゾクリと背筋が凍る。
「だ、だだいじょうぶ、ですか?怪我とか、えっと」
『うん、私の体は大丈夫。いきなり手放すからバランス崩しちゃった。
それより、影山くん。………見た?見えたよね?』
「あ、そ、れはその、…見ました。」
『ふーん。そっか』
申し訳なさの中にこの状況に少しラッキーと思う自分がいて、それにまた申し訳なさがあって、加えて先輩の怪訝そうな視線に顔を逸らす。と、何故かだんだん密着してくるような体にビクリと肩が跳ねた。
顔は逸らしているものの、耐えきれぬ先輩の柔らかさに三神先輩っと口を出そうとしていたのに、耳元に触れる暖かな空気に思わず口元を手で覆った。
『影山くんのスケベ』
その後、軽い足取りで立ち去る先輩の姿にしばらく立ち上がれなかった
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れな(プロフ) - 良ければ更新お願いします!もっと烏野のみんなとの絡み見たいし欲を言えば全員分の落ちとかもみたいです!完結までついていかせてください! (7月24日 6時) (レス) id: 5c55cc0d78 (このIDを非表示/違反報告)
嵯峨野 繆謎(プロフ) - なんだか色々と話の構図がタイプです。続き楽しみにしてます、頑張ってください。 (2020年6月21日 5時) (レス) id: 58baba6999 (このIDを非表示/違反報告)
咲夜 - お話読んでみたらすっごい虜になっちゃいました!更新頑張ってください("⌒∇⌒") (2020年4月29日 17時) (レス) id: d570b5d827 (このIDを非表示/違反報告)
るる - 三神ちゃんと影山の関係が気になります!更新大変だろうけどがんばってください!! (2020年4月29日 13時) (レス) id: 825ada6d1a (このIDを非表示/違反報告)
小百合 - 面白いです!!更新楽しみにしてます!!ファイトです!! (2020年4月29日 12時) (レス) id: b5a08e9156 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:花子 | 作成日時:2020年4月28日 1時