すげぇ......罪悪感...... ページ4
「ったく…お前はあっさり信じ過ぎなんだよ」
もう少し疑うことを覚えろ、と付け加えキルアは注文したチョコレートケーキに口をつける。その表情には安堵が見られた。
根本的な常識の違いやフェイタンのように自分以外にも他の世界からきた証人がいるとはいえ、生命エネルギー(念)など此方では突拍子のないことを言い出すことに相当の不安があったらしい。
__すげぇ……罪悪感…
「君らのことはこの漫画で全部知ってるよ!」と言ってしまえばどんなに楽か。例えキルアとの仲が深まっても、いや深まったからこそ、嫌われることを余計に恐れてしまう。
__…ごめんな、弱くて。どうしようもなく怖いんだ。もう少しだけ、待ってくれ
いつか、そう、いつか絶対、伝えるから_
そんな心中を薄暗い扉の奥へ封印しつつ、Aは次のように続ける。
「まぁ単純な話、私だけが気づけないんだ。そちら固有の技術、能力を疑うのは至極真っ当だよ」
「同意。まぁ、餓鬼だから理解出来ないもしょうがないね」
「なンっっでオレが馬鹿みたいに言われなきゃいけねーんだよ!?」
チャイを口に運んで、フェイタンは嘲る。本当にこういう時の目の輝き方は少年のようだ。ギャイギャイと喧嘩を始めた二人を他所に、純粋な疑問を彼女は投げかける。
「あ、因みにだけどその生命エネルギーとやらは誰から見られたんだ?つまり、ソイツも異世界人ってことだろ」
__流石に俳優となると接触は不可能だよな。
いやワンチャン叔父さんにでも頼むか?でもあの人苦手だし、なんて呑気に構えていると、本日二度目の爆弾を彼らから落とされる。
美麗な声音が、重なった。
「次元超越時空移動装置から」
「っっ…!!」
瞬間に、全てを理解する。
もうお気づきだろう。これの装置は映画の中に登場した物語の根幹を担う最重要アイテム。世界軸を行き来できる装置だ。
この発言を聞くまでAは失念していたのだが、念はモノにも宿る。無意識にしろ意図的にしろ「なんならの強い意志を持って」宿らせることが出来る。
整理にしよう。
念は向こうの世界にしか存在しない。
のにも関わらず、製作者の念を宿した映画の根幹装置。
……そして、「時空を行き来」するというストーリー。
「この映画は元の世界へ戻れる装置が存在するという誰かからのメッセージ…?」
声を震わせ、Aは独り言のような問いかけを彼らにする。肯定の代わりに二人は大きく頷いた。
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佐々木(プロフ) - ゆずぽんずさん» ゆずぽんずさん!こちらでもコメントありがとうございます!(・∀・*)足りない頭を捻って頑張って展開を考えてるので応援してやって下さい!笑キルアとフェイの愛おしさは世界を救えますよね!! (2020年12月4日 21時) (レス) id: 507918a5ac (このIDを非表示/違反報告)
ゆずぽんず(プロフ) - 続編おめでとうございます!! 相変わらず、キルアとフェイたんが可愛いです…尊い…ここからどのように展開するのやら…続きが気になりすぎる…!!更新頑張って下さい!応援してます! (2020年12月4日 1時) (レス) id: 9e50515516 (このIDを非表示/違反報告)
佐々木(プロフ) - V/aria-worganさん» ariaさんお久しぶりです!今作でもコメントありがとうございます!前作でヒット数が伸び悩んでいたところ、ariaさんのコメントが心の支えでした!本当にありがとうございます!これからも頑張ります! (2020年11月29日 22時) (レス) id: 507918a5ac (このIDを非表示/違反報告)
V/aria-worgan(プロフ) - いつも楽しく読ませていただいています。続編頑張ってください!応援しています〜 (2020年11月29日 18時) (レス) id: f277376224 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:佐々木 | 作成日時:2020年11月29日 17時