バレンタイン番外編！モブが出ます！verフェイタン 視点もフェイタン！ ページ15
｢お花、喜ばれると思いますよ｣
今時だってバレンタインに殿方からなんて珍しいですから、と目の前の黒髪を一つに束ねた女は朗らかに笑った。
なんで私こんなとこにいるか。 スルスルと一つにまとめられていく花々を見ながらフェイタンは自身に問う。
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何となく緑が見たかった。血溜まりの中で対して好きでもない葉巻を咥えながら彼はふと思う。
いきなりなんて物騒なと思われるかもしれないが意外にも平和を謳われるこの国は少し脇道に逸れるだけで血が見れる、暗い側面が顔を出す。いやしかし、だからこそ彼のような異邦人が暮らすには好都合なのであるが。
話を戻そう。兎に角今朝からフェイタンは赤を見すぎていた。人間はその構造上、補色を欲する。
赤の補色は緑だ。
そんな中で次に彼の視界に飛び込んできたのが素朴な緑が一面を占める色鮮やかな花屋であった。オアシスに導かれる行商の如く、フラリと足がかの店に吸い込まれていく。
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｢…さぁ｣
｢さぁ、って。バレンタインだからお花、あげるんでしょう？｣
｢別に理由なんてないよ。なんとなく、ね｣
｢ならより素敵。何でもない日の花束ほど女にとって嬉しいものはないもの｣
そう言ってこの地味な女は微笑む。目尻の下がり方が少しだけAに似ていた。あれよあれよと言う間に、はい、出来ましたよ。とシンプルなラッピングが施された花束が手渡される。
エーデルワイスとカスミソウ、白と緑だけのブーケ。
｢花言葉は『大切な思い出』『幸福を願う』…貴方が話してくれた、貴方の大切な人へのイメージです｣
｢釣りはいらない、ととけ。二度と来るか｣
冷徹な声音で粗雑にポケットから数切れの日本円を差し出し荒い音を立てて店を出る。しかし、店員の女は怯える様子すらなかった。むしろ何処か愉しそうにすら見える。
それもその筈だ。マスクの上からでも分かるくらい、彼の頬は赤く染められてたのだから。
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｢渡す相手、決まてないね。ああ、なら馬鹿に宛てるよ、名前？馬鹿でいい。知り合いにいるね、狡猾なフリして沢山抱え込む無駄に世話焼きな阿呆。
身の程弁えてただ笑てればマシになる。けどしない、どうみても鳥頭よ。
ハ？出会い、そんなことまで聞くか。プライバシーの侵害ね。……でもまぁ、悪くはなかたよ｣
やぱりこの花、赤で染めてやる。
終わり
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佐々木(プロフ) - ゆずぽんずさん» ゆずぽんずさん！こちらでもコメントありがとうございます！(・∀・*)足りない頭を捻って頑張って展開を考えてるので応援してやって下さい！笑キルアとフェイの愛おしさは世界を救えますよね！！ (2020年12月4日 21時) (
レス) id: 507918a5ac (このIDを非表示/違反報告)
ゆずぽんず(プロフ) - 続編おめでとうございます!! 相変わらず、キルアとフェイたんが可愛いです…尊い…ここからどのように展開するのやら…続きが気になりすぎる…!!更新頑張って下さい!応援してます! (2020年12月4日 1時) (レス) id: 9e50515516 (このIDを非表示/違反報告)
佐々木(プロフ) - Ｖ／aria-worganさん» ariaさんお久しぶりです！今作でもコメントありがとうございます！前作でヒット数が伸び悩んでいたところ、ariaさんのコメントが心の支えでした！本当にありがとうございます！これからも頑張ります！ (2020年11月29日 22時) (レス) id: 507918a5ac (このIDを非表示/違反報告)
Ｖ／aria-worgan(プロフ) - いつも楽しく読ませていただいています。続編頑張ってください！応援しています〜 (2020年11月29日 18時) (レス) id: f277376224 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：佐々木 | 作成日時：2020年11月29日 17時
