飴 ページ33
「というわけです」
おまけとかいいながら、結局店主はただで飴をくれた。話を聞きながら、左近は飴を食べている。魚屋の店主みたいなあの女性を思い出す。
「美味しいですか」
「めっちゃ美味いです!!」
「それは良かった」
袋には赤色の飴と、桃色の飴が入っている。姫さんにしては可愛い色選んだんだな、と左近はふと気づく。
「これって、色になんか意味とかあるんすか?」
「ああ、それですか」
Aは赤色の飴を左近が持っている袋から一つ取り出す。
「色が似てるなー、と思ったので」
「へ？」
「左近の色に」
Aは飴を口に入れると、ころころと口の中で転がした。砂糖の味がする。
「？ どうしたんですか」
さっきから左近が何も言わない。飴になんか口が聞けなくなるようなお薬でも入っていたんだろうか。Aは首を傾げる。
「……わ…」
左近はといえば、下を向いて口を抑えている。開いた口が塞がらず、それでも飴を吐き出したりしないように気をつけている。顔は飴と同様、真っ赤だ。
(姫さんが俺のこと見ててくれたんだ)
兄の部下の一人。ただそんなふうに認識されているだけだと思っていたのだ。
「へへ、ありがとうございます!」
飴はまだ甘い。そしてまだ赤いままなのだろう。
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鶯餅(プロフ) - コメント有難う御座います！これからも更新頑張ります! (2018年5月29日 18時) (
レス) id: d3725be283 (このIDを非表示/違反報告)
朔夜 - 楽しく読ませて頂いてます！更新頑張って下さい!^ ^ (2018年5月29日 14時) (レス) id: df783c30d2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：鶯餅 | 作成日時：2018年5月2日 22時
