"自己"と"他人"の喪失 ページ38
ーXANXUS sideー
マ「Aは自分の意識を炎と一緒におしゃぶりに封じ込めた。それによって自己と他人の境界を失い、認識出来なくなったんだ。
他人だけじゃなく、自身の認識までも外したことで他人によって傷付くことなく、傷付く自分に嫌気が差すことも無くなった……」
マーモンが言うには、Aはおしゃぶりに己の意識を封じ込めたことで自己と他人の境界を失ったそうだ。
自己と他人の境界を失うということは、己が己自身と言いきれなくなるということだ。
そのため他人から"自己"を否定されても何も感じることは無い…否定されるべき"自己"が存在しないからだ。
そして確立された"自己"が無いことにより、他人を否定することも無い…他人を否定するための"自己"が無いからだ…
そうすることでAは自身から他人を守り、
他人からA自身をも守った。
マ「……僕がどんなに酷いことを言ったって、何も感じなくなっちゃったんだよ。」
マーモンは後悔を口にする。
いくら強欲のアルコバレーノであっても、生物学的に見れば此奴も人間で、人間であるということは必ずしも心というものは存在する。
マ「ねぇボス…僕にはどうしてあの子が自分の意識を封じてまで他人を愛してやまなかったのか、分からないんだ。」
X「………」
俺に聞かれても困る。
無償の愛と言うものは存在しない…
あったとしてもそれには必ず裏があり、真の目的が隠れている。
Aも勿論それに気付いていた。
X「……」
ふとレヴィの朝風呂騒動の時に聞いた言葉を思い出す。
一瞬、揺らめく白群の炎が脳裏に浮かんだ。
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作者名:イヴ | 作成日時:2019年10月16日 12時