世界一甘い自由研究【高尾和成】

▼自由研究.08 ページ8

アイスを選び終えて、雑誌コーナーの横を通った時だった








「あぁ！！









…この表紙…黄瀬くんっ！」








黄瀬くんへのインタビューやらなんやら、今まで散々色々な雑誌で見てきたけれど









「買わないわけにはいかないね」









雑誌も一緒に手に取り、レジに向かおうとすると









「お前…黄瀬のファンなのか…？」









「え？うん…そうだけど」









「黄瀬なら中学の時のチームメイトだったのだよ」









「………ええっ！」









そういえば緑間くんも帝光中のバスケ部だったんだよね









「じゃあお友達？」









「……まぁ、友達…か？…とにかく、チームメイトなのだよ」









え？チームメイトってことは友達だよね





なんか認めたくないみたいな顔してるけど…









「いいな…じゃあ、黄瀬くんといつでも話して…会って…あぁ！もう、いいなぁ」









羨ましい…









「…そんなに言うなら、合わせてやろうか？」









……え









「い、いいのっ！？」









「あぁ、別にいいのだよ…俺はあまり会いたくはないが…」









やった！黄瀬くんに、会える…！









「じゃ、じゃあ…アドレス、交換しよう？緑間くん」









いつでも連絡を取れるように！









緑間くんとアドレスを交換し、アイスも買いコンビニから出る









「今日は色々あったなぁ…和成がおかしいし、緑間くんと話せたし、黄瀬くんに会えるかもだし…」









なんだかんだ、楽しかったかも









家の前まで送ってもらえて









バイバイしようと思ったら









「あっ、緑間くんまつ毛抜けてる









とってあげるからちょーっと目瞑って」









「あぁ、ありがとう」









精一杯背伸びをして、まつ毛をとる









「はい！取れたよ」









緑間くんは、少し頬を赤く染めて









「じゃあ、ちゃんと戸締りするのだよっ！




…またな」









そう言って帰って行った









またな、ってまた夏休み中会えるみたいな感じで嬉しいな









私は少しニヤニヤしながら家に入った









彼が見ているとは知らずに…

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