95話 ページ48
少年の歌は続き、人形は鬼魅悪い笑い声を出す
「二人共逃げて下さいッ!」
二人を背後に隠しながら人形と向き合う
ブチッ
「なっ……」
だけどその人形はブチブチと音を立てながら自ら頭を引き裂いた
これなら恐怖映像の特集に出ても可笑しくない
目の前の光景に唖然としていた時だ、後ろでガクンと力が抜けるような何かを感じた
後ろを振り向けば、春野さんが俯いている
逃げてと云ったのに駄目だったか
次に春野さんが顔を上げた時には
「っ……」
目からドロッと血が出ていた。そして彼女の腕が此方に伸びてきて首を掴む
「がはっ……!」
「おねえさんなんとかしなきゃ殺されちゃうよ☆」
春野さんの目から血が出ているという事は、君の幻覚を見ている訳だ
決して私のものでは無い
それに首が絞められて居るから段々苦しくなって来る
私が消える機会が訪れた
「はっ、はは……」
笑い声が出たがかなり掠れていた
喉の奥がヒューヒュー鳴っている
あと少し
「敦さん!?」
此処で抵抗しなければ凡てが丸く収まるのでは無いのだろうか
守るだと?笑わせるな餓鬼が
貴様如きが何を守れる
「ッ!」
突如頭の中で響いた言葉。君が過去に受けた言葉
___違う!もう昔の僕じゃない!
やめろ敦、反抗するな
___僕には力がある!!
やめろ
私の声は届かず腕は突然虎化して、春野さん首に巻き付いていた春野さんの手を退かした
抑えようとしても唯動きにくくなるだけで、抑えることは出来ずに春野さんを投げた
もう既に、中身が逆転した
普段なら喜ばしい事だがこの場合は最悪だ
___済みません春野さん!
「ぐっ……」
抑えようと必死になるが矢張り止められず、ゴッという鈍い音を鳴らしながら春野さんの後頭部を殴った
感覚は繋がっている
「ウ…ウゥ……」
「げほっ、げほ」
思い出したかのように肺に空気が入り込み、咳き込んだ
「ッ…」
駄目だ、何でこんな時に……
意識が……飛ぶ……
___君も僕が守る
___
__
_
太宰side
凡て繋がった
何故私が監視されて居たのか
何故私が此処に呼び出されたのか
そして、敦君の言葉の意味も
彼は私が去る際に「成る可く疾く戻って来て」と云った
私の考えが正しければきっとそういう事だ
という事は彼はこうなる事を知って……?
否、彼女か?
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銀色ミカン(プロフ) - 1話から一気見しちゃいました!面白いです!更新待ってます。頑張ってください! (2017年12月17日 2時) (レス) id: c55513f974 (このIDを非表示/違反報告)
時雨零(プロフ) - お待ちしておりました!おかえりなさい! (2017年11月14日 0時) (レス) id: 7585b82a1c (このIDを非表示/違反報告)
芋娘@悪の伝道師?ウリエル?(プロフ) - ファッ!?オーストラリア!?あらまー…お気を付けて!! (2017年10月31日 14時) (レス) id: a51cded6e4 (このIDを非表示/違反報告)
紅月(プロフ) - オーストラリア!!!羨ましい…!楽しんで下さい!!! (2017年10月30日 22時) (レス) id: 97c5c84046 (このIDを非表示/違反報告)
ロイゼ@魔法契約民(プロフ) - いってらー、です! 楽しんできて下さいね(^^*) (2017年10月30日 16時) (レス) id: 677bf3b84c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:のんのーー | 作成日時:2017年10月15日 20時