【文豪ストレイドッグス】私は君で、君は君

23話 ページ25

乱歩さんが犯行時刻と現場を云い、その後に杉本巡査は逮捕され、事情聴取を行った

その中では犯行の動機や被害者の女性との関係性や証拠の在処など、真相を凡て話した


それから、乱歩さんの異能が異能じゃないのと年齢は暴露済みだ


それで今、帰る？戻る？途中なんだけど……




「太宰、先帰ってくんない？僕、敦君と帰るから」


「行き先は同じなのに何故態々別れる必要が有るんです？それに私も戻って仕事しなければ国木田君に怒られる」


「何時もの事だろ。それに説教を聞く事もなく抜け出すのも何時もの事だ」


「否定しません。でも良いじゃないですかぁ〜、一緒に帰ったって………それとも何か不都合でも？」




両隣で上っ面は穏やかな、でもどこかで火花が散ってる口論が行われている

私は一人で戻りたいです




「はぁ……僕は敦君と大事なお話をするの。面倒臭いなぁ、お前」


「……え？」


「…？……話、とは？」




お話って言い方可愛いなとか思ってたのが間違いだった

あと太宰さんは何で厭そうに溜め息吐かれたのと、面倒臭い発言に何も云わないんだろう




「もういっその事二人で帰ってらいどうですか？僕は一人で帰るので」


「君、ちゃんと話聞いてた？」




聞きたくなかった




「何だい話って、教え給えよー！」




ウザいな、木乃伊男。ノリが男子学生だ


違う理由だけど二人の目が此方を向く

この二人の目は喰われそうだからあまり見たくないんだ



何て応えればいいかな……


そう思った時、急に乱歩さんに腕を引かれた




「ねぇ何か云ってよ………一条、A………？」


「っ、」




乱歩さんの才能は凄い。そんな事知っている

でもここまでだと思わなかった

判ったとしたらあの目が合った一瞬…………


あぁ、恐ろしい




「………」


「無言は肯定って捉えるよ？」


「……はぁ、貴方がそう思うなら……」


「何なら此処で叫ぶ」


「………」


「認める？」


「……は、ぃ」




ちゃんと応えたら乱歩さんは一瞬驚いた様に目を見開いてから満足した様な笑みを浮かべた




「くっくっく……君、面白いね！」


「はぁぁ……」


「一寸、私を置いて何の話だい！？先刻から気になって仕方ないのだけど！！」


「教えてやるよ。実は……」


「すとーっぷ！！乱歩さん、駄目です！ねっ！良い子だから！」


「くっふふっ、矢っ張り君、いいね！」




先が思いやられる

やって行けるかな……私




「だから何の話だい！？」

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