ばーか!!! ページ11
俺は暫くの間、棒立ちになっていた。
俺の頭の中は大混乱。
え、あ、あああ有澤君は、珀がす、すす、好きなの?
あくまで俺の妄想だった筈が、現実になるなんて。
嘘から出たまことっていうの??いや、違う?
腐男子なのに、この状況に頭が追いつかず普通に喜ぶ事が出来なかった。
何時もの俺なら悶えていられたのに。
悶々としながらずっとそんな阿保なことを考えていた。
はっと、正気が戻って来れば、頭をぶんぶんとふった。
今は有澤君を追いかけなければ、そう思い教室から出て行こうとした。
「おわ、っと、すんませ、って珀!」
誰かにぶつかったと思ったら珀がいた。
「夏樹の声が聞こえたと思ったんだけど、何事?」
今くるとか、珀もタイミングが悪いな。
珀は俺よりも数センチ高いので何時もなら見上げる形になるのだが、今は視線をきょろきょろと動かしてしまった。
「いや、ちょっと、御免、今は」
「何?俺にやましい事でもあるの?」
俺が俯いていると、顔を覗き込みながら尋ねられた。
仮にも告白されているのだし、此奴顔がいいから、余計に心臓ばっくばっくするし。
「やましい事じゃないけど」
後ずさりをしていくと、後ろにあった机にぶつかって体勢を崩し、その場に尻餅をついてしまった。
田中恨む。
「相変わらず、鈍臭いな」
俺を引き上げながら、彼奴は呆れつつも、こう言うのも変だが、綺麗に笑った。
胸がしまった。気が、する。
早くなっていく鼓動を感じ、混乱中の頭を働かせながら俺は叫んだ
「ばーか!!!」
俺は珀を押し退けてから走り出した。
後ろの方から、珀が何か言っている様に思えたが、俺の頭の中には入ってこなかった。
何言ってんだ俺は。
有澤君を探さなければ行けないのだが、今はそんなこと頭にない。
唯、ひたすら走り続けた。
俺、俺、は、どうしちゃったんだろう。
二階の階段の踊り場で息を整えていた。
走ったお陰でおさまらない鼓動、ぎゅっと胸を抑えた。
顔を赤らめながら、これは混乱してたから、走った所為だからと心の中で言い訳をしていた。
見守る側でありたかった!!!
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りんご(プロフ) - 誤字ごめんなさいw (2019年10月28日 20時) (レス) id: 92785b223f (このIDを非表示/違反報告)
りんご(プロフ) - 腐男子視点の小説はあまり見ない方でしたが、少しもどかしい感じも含めて、とても面白がったし、いいお話だなと思いました!これからも頑張ってください!! (2019年10月28日 20時) (レス) id: 92785b223f (このIDを非表示/違反報告)
群青色の五月雨(プロフ) - 薄氷さん» コメント二度もありがとうございます!! やっと完結しました。ここまで見てくださりありがとうございました。誉めてもらえて嬉しい限りです。薄氷さんも小説頑張ってください!応援してます。 (2018年1月5日 16時) (レス) id: 227c123589 (このIDを非表示/違反報告)
薄氷(プロフ) - 完結おめでとうございます!!最後の最後まで面白くて、萌えが凄くて、素晴らしかったです、語彙力がなくてすみません。絵も楽しみにしています、完結、お疲れ様でした。 (2017年12月23日 14時) (レス) id: 6feeadb499 (このIDを非表示/違反報告)
群青色の五月雨(プロフ) - 真城双葉さん» 読みにくい小説ですが、読んでいただけらなら嬉しいです。コメントありがとうございました。 (2017年12月10日 2時) (レス) id: 227c123589 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:群青色の五月雨 | 作成日時:2017年5月28日 15時