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06 聞いてねえ ページ9

瀬見side

Aとの下校中、大抵はこいつの恋愛相談。べつに嫌々聞いてやってるわけでもなければ、好き好んで聞いているわけでもない。少しでも足しになるアドバイスはしてやりたいとは思うけど、ほとんどAのボケ交じりの白布の話にツッコミを入れているだけ。

口を開けば白布。入部してきた時からそうだった。振られてもなお、一途に思い続けている。だけにとどまらすアピールしまくっている。



「あのさ、何でそこまでして白布がいいんだ?」



ずっと疑問に思っていたことを聞いてしまった。Aはキョトンとした顔で『え?』とこっちを見る。



「いや、べつに白布がどうとかじゃなくてさ。振られてんだろ?なんでそんなに頑張んのかなって単純に疑問で」


『そりゃ、好きだからに決まってるじゃないですか…』



ちょっと下を向いたその顔は真っ赤で、まるで恋する乙女。いや、実際に恋する乙女なんだろうけど、こんな顔見るのは初めてかもしれない。……こいつこんな顔もするんだな。



『聞きたいですか?私が何で白布好きになったのか』


「ああ、話してくれるなら聞きたいかな」


『もちろんもちろん、セミセミさんいっつも話聞いてくれますし!まだ太一にしか話したことなかったんですよこれ』



出た川西。同じクラスってこともあってか、Aは川西と仲が良い。良すぎるのだ。



『流れで私の入部理由も教えてあげてもいいですよ!こっちは太一も白布もあと三年生ほとんど知ってるはずなのにセミセミさん知らないですよね、太一たちの面倒見てましたもんね、てっきり天童さんとかから聞いてると思ってましたけど』


「聞いてねえ…」



何だよ俺だけ知らねえのかよ…と地味にショックを受けていると、さっそくAの話が始まった。

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作者名:Blue Leaf x他2人 | 作成日時:2017年1月28日 9時

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