05 白布 sent by クール便 ページ8
と言ってもどうすりゃいいんだ。白布の前でハヤシライス食えばいいのか。
とりあえず出来ることから。
まずは牛島さんの表情。あのキリッとした感じの真面目な表情。
を、教室で太一の前で練習してみた。
「……」
『……』
「………」
『…ブッフォア！！無理！！笑っちまう』
「人の顔見て笑うなんて失礼だな」
太一も無表情なもんで、余計に笑いがこみあげてくる。私これ絶対にらめっこ弱いやつだわ。
次、左手使う練習！
『……』
「それじゃいつまで経ってもなくならないぞ、昼飯」
弁当を左手で食べようと試みるも、挫折。なにこれ超ムズイ。よりによって豆入れやがってお母さんコノヤロウ弁当美味しいよありがとう。
白布にお披露目する前に挫折してしまったどうしよう。もう部活の時間が来てしまう。
・
『白布、今日は早いな。私の好物はハヤシライスだ』
「…………は？」
体育館です今。すげえ目で見られてる。なんか違ったかな。
「Aさんすごい…何か雰囲気牛島さんっぽかったです！」
『え、マジ！？……ン"ン"ッ！…そうか。』
その辺にいた工に褒められた。が、白布の目はさらに冷たくなる。なんでだ。なんでそんなクールなんだ。クール便で送られてきたのかお前は。
「牛島さんとお前全然違うだろ。牛島さんの真似したところでAはAだから。余計なことに頭使うなよ。」
全然…違う……もう傷ついたぞ私。
よし牛島さんの弟子はやめよう。諦めんの早すぎるだろって思った？私も思った。ところで次はどうすればいい？
『てことなんですけど』
「弟子一日で卒業か！ポジティブなのは良いことだけど何かカラ回ってないか？お前」
部活帰りのいつものセミセミさん恋愛相談室。私の歩幅に合わせてくれてるのか、私と歩くときはいつもゆっくりめに歩いてくれる。ごめんなさい、足が短くて。
『んーでもやれることは全部やっときたくてですね。ほら、命を尽くして果報を待つって言うじゃないですか』
「もしかして人事を尽くして天命を待つって言いたいのか？」
『そうともいう！』
「そうとしかいわない」
そしてセミセミさんは少し考えるそぶりを見せ、口を開いた。
「あのさ、何でそこまでして白布がいいんだ？」
『え？』
「いや、べつに白布がどうとかじゃなくてさ。振られてんだろ？なんでそんなに頑張んのかなって単純に疑問で」
『そりゃ、好きだからに決まってるじゃないですか…』
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作者名：Blue Leaf x他2人 | 作成日時：2017年1月28日 9時
