白銀のスノーマリア【あんスタ】 (ページ9)

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第50話ページ9

――氷鷹北斗視点――

入学してから早1週間経っていた、
それまで俺の隣の席は空席だったが、今日から
登校できるようで、噂の”氷上の王子様”が来た。
入学早々の周りは”氷のような冷徹な奴”とか
”絶対零度の鋭い目は5秒以上合うと凍らされる”やら
子どもじみた噂は本当にただの噂だったようだった。

よくおばあちゃんからもらっていた金平糖をやると、
どうやら初めて見るらしい、じっと観察してから
食べてみると目を輝かせながらこちらを見てきた。

「(ふふ、まるで子供のようだな。、)」

日本人離れした顔はまるで絵本の中の氷の妖精
のようだが、おもったより穏やかな人のようだった。

もし、外国語話されたらどうしようかとも考えていたが
日本語は分かるし話せるらしい。嬉しい誤算だった。
あの自習の時間に色々話をして、意気投合した。
ユキの生まれ故郷の話、フィギュアスケート時代のこと
どうやらあの演劇部の日々樹先輩とも知り合いらしい。

「ユキはどこかユニットに所属しないのか？」
『うーん、今のとこは無いかな。見学もしてないし、』

レッスン室で俺たちはストレッチをしながら
アイドルにとって必要不可欠なユニットについて話していた

『北斗は、どこか入りたいとこあるの？』
「俺も自分にあって強く惹かれるというユニットが
なくてな。今は所属してる演劇部の方に時間を
まわしているんだ。」『渉のところの…？』
「あぁ、部長の日々樹先輩はスパルタで奇天烈な奴
という噂で有名だ、
今では大半の部員が退部したらしい。
俺も入学初日から演劇部に足を運んだが門前払い
くらったんだ、…だが決して諦めるつもりは無い。
何度でも行って演技を見てもらうんだ。」

『…そっか。、北斗ならできるよ』
「ああ、必ずやり遂げるだろう」

必ずやり遂げようユキ。そして俺が
部長と同じ舞台に上がる姿を見てくれ。