第55話 ページ14
銀髪の人と月永先輩が言い合っている内に
この音楽室から出ていこうとしている時、
「……で、なんでレオくんが”氷上の王子様”と
一緒にいたわけぇ？」
突然こっちにスポットを当てに来たではないか。
よし。ここはしらばっくれて逃げよう。
「……ん？なんだそれ、アイツは乙葉ユキって
名前で”氷上の王子様”って名前じゃないぞ？」
「んなの知ってる。……まあ確かにゆうくんには
及ばないけど、いい顔してんじゃん。」
『(誰だよゆうくんって…)すみませんが人違いでは？』
「しらばっくれたって無駄。入学前から学園内で
ずっと噂立ってたし。むしろ
アンタの顔知らない人の方が少ないんじゃない？」
『べ、別に月永先輩とはなんにも関係はありません。
さっき会ったばかりだし…。』「そ、そんなぁ！」
「じゃあ、俺は瀬名泉。ちなみにコイツと同じ2年。
呼び方はなんでもいいから。はい、これで友達。」
『な、なんて横暴な……、』
「誰が横暴だってぇ？」『ﾋｨ…』
「もぉ、馬鹿でも【バックギャモン】は今
サボりの溜まり場になってんのに……
これ以上活動報告何も出来なかったらグループ
自然消滅するっての……」
『バック……ギャモン??』
「あぁ、オレとセナの…後何人かいるオレ達の王国だ★」
「元々、【チェス】って名前でやっててねぇ。
【オセロ】とか【バックギャモン】
とかリーダーが変わる度に名前ころころ変えてんの。
…ホントは流星隊と同じぐらい歴史も長いし、
この学園では大所帯の伝統あるユニットなんだけどねぇ
今じゃ真面目に活動する気がない奴らの溜まり場、
俺とれおくん以外レッスン室にも来ないし……」
『そうなん…ですね…。』
「でも大丈夫だ！今日からはユキもオレたちの
仲間だからな★あの時ビビビッて感じた！」
仲間？ん？なんかもうそっち側に入ってないか？
『………………………え？』
「『ぇぇえええ!?』」
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作者名：くま吉 | 作成日時：2024年2月28日 22時
