ジャンヌ 【文豪ストレイドッグス】

Jeanne25. ページ25

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椅子に座らされたジャンヌは錠剤の正体を聞いて
顔を青ざめ、泣き喚く。






「やめて___
お願…ｯ、
それだけは…ｯ」






手首と足首に繋がれた鎖がジャラジャラと音を立てる。
首領は厭がるジャンヌとは反対に、笑顔を浮かべていた。


首領はジャンヌに自白剤を口に押し付ける。






「飲み干せ」






瞳を光らせた首領は女の口を手で押さえつける。

____その直後、ジャンヌの喉が鳴った。




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「A君、太宰君の事どう思ってるのかね?」




拘束されたジャンヌと向かい合うように椅子に座り、
首領は17歳の少女を見つめていた。


Aは自分の血と、香りに酔い
朦朧とした意識の中
ずっと心の奥にしまっていた言葉を簡単に零していく。









「___好き…大好き、愛してます…」









濡れた声は憂いを帯びる。
Aは涙を流した。



___愛してるなんて薄っぺらい言葉で
あの人への気持ちは語れない
私にとってあの人は私の世界の全てだったから


ずっとずっと言わないようにって
口に出してしまえば止まらないからって





なのに_____


なのに





「へぇ、どのくらい?
どれくらい好きなのかな」




「沢山…、死んでもいいくらい
愛して、ます…」







私の唇から蝶のように簡単に飛んでいく
解かれていく心
行き場のない愛の言葉達


握りしめた拳をぶるぶると震わせた



____これはリンチ

裏切ろうとした罰



この体も心も全てマフィアの所有物なのだと
思い知らせるための



そうやって私の魂さえ蝕んでいく



裏切り者は処刑 マフィアの掟
私が殺されない理由は 容姿と香り


誰もが私に美しさを求めて
誰もが私の全てを支配しようとする









「やだ、…やめて、___もう…」









私から何を奪うの?
何も無いよ、もう私には何も残ってない







これ以上私を見ないで







嗚呼、そんな目で

私を見ないで___

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