お互い様 一郎視点 ページ15
依頼を片付け、家に帰ると狡噛さんが夕飯を作ってくれていた。狡噛さんは仕事で色々あってアジア各国を回ったいたらしく、テーブルの上に並んでいる見た事ない料理は旅先で覚えた料理なんだそうだ。
これはどこのどんな料理何だ？と聞けば、教えてくれるし、味も美味い。
「今日の料理も美味そうっすね。すんません、仕事でいないとはいえ家事まで押し付けちまって」
「気にするな。俺は居候の身だし、これぐらいはしないとな。むしろ、お前には色んな面で助けて貰ってんだ。俺からの恩返しだと思ってくれ」
「んな大袈裟な。俺は当たり前の事をしたまでで……」
「“当たり前”か。路上で無一文の見知らぬ男を違法マイク連中から助けただけでなく、話まで聞いてこうやって宿まで提供して、面倒を見てくれてる。お前が当たり前だと思ってても、他の人間ならそう簡単に実行出来るもんじゃない。しかも、まだ未成年なんだろ？そんで弟二人の面倒見ながら自分達で何でも屋の仕事もして……大した男だよお前は」
「そんな事言ったら、狡噛さんもっすよ。最終的にたまたま居合わせた俺がとどめ食らわしたからとはいえ、ヒプノシスマイクも無いのに違法マイク使って一般人脅そうとしてる輩の前に立つなんて……。
一見無謀なようだけど、あんたは数人がかりの違法マイクの攻撃にも耐えてみせたタフな男だ。しかも、そんな状態で連中からマイクを奪うとかすげぇよ」
「耐えるのは、割と得意なもんでな。いや、慣れたと言うべきか？」
狡噛さんは困った風に笑う。
二郎や三郎達にも話を聞いたが、狡噛さんは大分ハイスペックだ。頭も良いし、運動神経も良く、何より強くて優しくて男らしい。
俺は狡噛さんがどんな仕事をして、今までどうやって暮らしていたか等は知らない。
気にはなったが、最初に会った時の狡噛さんは違法マイクの効果とは別に、何処か困惑する様子も見せていた。「俺は何で日本に……」とかなんとか言ってて心配だったので、取り敢えず怪我は無いか確認するのも兼ねて事情を聞いた。
流石に全部は教えてくれなかったが、色々あって無一文で帰る場所もないと聞き、何故か咄嗟に口が動き、俺の家に来ないか？と誘っていた。
(自分でも吃驚したが、困ってる奴は放っておけねぇしな。狡噛さんはホームレスと言うにはちょっと違うみたいだし……結果的に誘って良かったな。弟達に何かあったらとは考えたが、仲良くなったみたいだし)
狡噛さんが何者か。話したくなったら話せばいい。
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イマツギ(プロフ) - 続きが楽しみです。お時間があれば更新頑張ってください！ (2022年3月12日 12時) (
レス) @page34 id: f5ff06f155 (このIDを非表示/違反報告)
紅 - 面白い！更新頑張って下さい！ (2020年4月10日 13時) (レス) id: ceacd95bed (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：遙 | 作成日時：2016年2月6日 20時
