ヨコハマの猟犬探偵【ヒプマイ×PSYCHO-PASS】

与えられたもの ページ2

ドミネーターとは何か。

刑事とは何か。

思考、意思とは何か。

被害者、加害者とは何か。

社会とは何か。

犯罪とは何か。

正しさ、間違いとは何か。

善悪とは何か。

人とは何か。

神とは何か。

正義とは何か。

───────シビュラシステムとは何か。

私は、それ等が知りたい。

この目で確認したくなった。

触れてみたくなった。

“ソイツ等”が何を考えているか“理解出来ない”から。

答えを見つけたかった。知りたくなった。

“ソイツ”が何を考えているか“理解出来た”から。

分かりたくなった。

分かれば分かるほど答えは導き出されたが、分かりたく無くなった。

知れば知るほど、自分を追い込んでしまうからだ。

神様ってのは、自分の存在を大きく見せようとするくせに、秘密主義らしい。自己顕示欲でも強いのか？

大袈裟に振る舞う割に、いざ知ろうと探られたら反発する。

真実を知ろうとすれば、真実から遠ざけようとする。

探れば探るほどに理不尽な“正解”と共に迫り来るのは理不尽な“死”だ。

必要な犠牲何てのは、結局その場しのぎの都合の良い犠牲でしかない。当事者からすればそれすら理不尽な犠牲だ。

神にとっての“命”とは何か。

人にとっての“命”とは何か。

真実から目をそらし続ける者、目を向けようと追いすぎる者。どちらも紙一重で盲目。

クリアになればなるほど消えて見えなくなる。

黒く塗りつぶされたら真っ暗闇で見えなくなる。

無知は罪らしいが、知り過ぎるのも罪らしい。

何も知らずに死ぬのが幸せか。不幸か。

全てを知って死ぬのが幸せか。不幸か。

「ったく。うんざりするな。つくづく嫌になる。ろくでもない人生だったよ。本当に……」

皮肉めいた笑みを浮かべ、私に与えられたのは“死の光”だった。

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