黄瀬くん、あなたは私にとって……なんなんでしょうね？５

１７２　チーム ページ30

｢でもね、なんでそんな悲しいことするの？｣


自分が嫌いなんて悲しいじゃんか。


人はみんな

自分が好き

って感情を持ってるのに、

その自分を嫌いだなんて

あまりにも寂しいじゃんか。




人が絶対に信頼してるものは、自分なんだよ。


なのにその自分を嫌いになるなんて、


あまりにも辛いじゃんか。






｢千春、なんでテニスに

ダブルスがあるのか知ってる？

なんでほとんどのスポーツに

チームがあるのか知ってる？｣







それはね、








｢お互いをカバーするためにあるんだよ。





だから私も千春には何回も助けられたし、






励まされたんだよ｣








千春にそんな気がなくても

私は千春に幾度となく助けられたんだよ。



ウソでも励ましてくれたとき、


千春が思ってる以上に私は助けられたんだよ。






｢バカじゃないの？


そんなのアンタの考えでしょ？


だいたい、アンタと私は違うのよ。



恵まれて育ってきたアンタだから



そんなこと言えるのよ｣







そうかもしれない。

これはただのバカで世間知らずなヤツの

意見に過ぎないのかもしれない。






だけど、








｢私がそう思ったのは、


千春が私の足首が故障したときに




助けてくれたからなんだよ｣

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