黄瀬くん、あなたは私にとって……なんなんでしょうね？５

１５７　正論と正当化　黄瀬side ページ14

この頃バスケをしてもつまんなくなった。


Aっちのことばかりが脳内を独占していてみんなの足を引っ張ってしまう。





だからバスケにも顔を出さなくなった。


それが続くと余計に出しづらくなってしまって。




やっぱりオレはAっちがいないとダメなようだ。






だけど、今更それが分かったところでもうオレの隣は誰もいない。








｢ちょっと、アンタいつもいつも黄瀬君を独り占めして何様のつもり？



黄瀬君はみんなのものなのよ？｣




誰かがそう言ったのが聞こえた。




つか、『もの』ってなんだよ。

それ。




いつからオレは誰かの所有物になったんだよ。





｢うるさいわね。


それはあなた達が勝手に決めつけたルールでしょ？

私には関係ないわよ。

悔しかったらあなた達も私と同じことをすればいいじゃない。



自分にできないからってひがんでんじゃないわよ｣




あーあ千春、やっちゃったな。



確かに千春の言葉は間違ってはいない。




でもな、女子ってのは大人数でいればいるほど自分たちの意見を正当化したがるもんなんだよ。




今もほら、千春の言葉に反感を覚えた女子は口々に千春を攻め立ててる。





けど、




『それをお前らは一人でできるのか？』





って聞いたら多分、誰一人としてできるヤツなんていないだろう。







そんなことを困ったような顔を作りながら考えていると、主に手を中心に温もりが伝わって来て、









｢黄瀬君!!｣

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