黄瀬君、あなたは私にとって……なんなんでしょうね？２

３４　イライラ ページ5

その後私は教室に戻され、次の授業の準備をしてから本を読み始める。


そうしてミステリー小説を読んでいるときに周りが騒がしいのに気がついたんだ。




せっかくいいところだったのに、と内心舌打ちをしながら顔を上げて状況を把握する。


するとそこには１人の男子がナイフを持っていた。

確か斉藤君だったけ？

何やってんの？

そう思ってさらに周りを見渡して少しずつ理解していく。

どうやら、原因は女子の言葉だったらしい。


それなのに、


｢ねー、誰か止めなよ〜｣

｢それより、早く先生呼んだ方よくない？｣


そんな言葉を掛け合う女子たちに私はイライラした。

自分で撒いた種ぐらい自分で処理しなよ。

自分だけだとなにもできないガキじゃあるまいし。


けど、そんなコトは口に出さない。

でも、だからといってそんな女子たちと偽善の言葉を交わすコトもしたくない。


だから私はそのまま読んでいた本に視線を戻した。



そうしてしばらくすると教頭先生が急いで教室に入って来た。


てか、ソコは担任とか校長じゃないんだ。



｢斉藤、今すぐナイフを振り回すのを止めるんだ。

そんなことしたってなんにもなんないのはお前も分かってるだろ？｣



教頭先生は実に教師らしいことを言って斉藤君に近づく。


馬鹿だな〜。ドラマじゃないんだからそんな都合のいいことある訳ないのに。



先生は少しずつ斉藤君との間合いを詰めていく。









あと２・３メートルってところで火山が噴火した。









｢これ以上近づくんじゃねぇよ！｣

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