黄瀬君、あなたは私にとって……なんなんでしょうね？２

４２　　存在意義 ページ13

次に目が覚めると私は友達に抱えられて多くの人達に覗き込まれていた。


目の前はあいかわらず赤く染まっている。





ちょっと、見ないでよ…私は今寝ていたいの。



ねぇ、ほっといてよ。




｢A！大丈夫なの!?ねぇ返事して!?誰か早く先生を呼んで来て！｣




しばらくの間は、体に力が入らなくて動けなかった。



ていうか、全然大丈夫じゃないよ心が。









あとから聞いた話だけど、あの子は彼氏にフラれ、その理由が私を好きになったから、



らしい。そんなことで私は傷つけられたの？


ばかばかしい。





私は全治２ヵ月のケガをした。



足の骨折。





あの日階段から突き飛ばされ落下し、



足を折って、転がり落ちたらしい。






あと大変なのが、頭からの出血。



それに重なり元からの貧血で生死の境をさまよう寸前だったらしい。






そして足を傷めた私はもうテニスをすることができないと医者は立て続けに言った。









私はテニスをやめた。

でも良かったんじゃない？


楽しくなくなったテニスを続けてもどうしようもないし。

いい区切りがついただけじゃん。




だけど、私達がテニスで注目を集めていただけに世間からの目を欺くことは難しい。




だから、学校側はこのことを隠す為に私の家にお金を払った。



あの子はどこかの学校へ転校していった。


そうして私のケガのことは一部の人にしか知られないまま風化した。









どうやら、私のケガはお金で解決する程度のものだったらしい。


将来を期待されたはずなのに私にはもうなにも残っていない。



あぁ、結局あの子の望み通りになったじゃん。



私は結局誰かに認められたのかな？









私に存在意義はありますか？

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