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第参話 ページ4

「…ぇ?」

私の後方に立っている
橘君の口から出てきた言葉は
私の想定外であることは勿論
かなり衝撃的なもので
彼と目を合わせるつもりのなかった
私を驚かせ振り向かせるには
とても有効的な言葉であったと思う。

そして私は案の定
再び彼へと視線を向けるとほぼ同時に
獲物が手中にいるのにも関わらず
こんな素っ頓狂な声を上げてしまったのだ。

「…確かに仮面で顔を隠しているけど
俺には分かる、その声は千草さんだよね」

彼は驚きを隠しきれない私に対して
優しい笑みを浮かべたままそう言った。

「…正解です
私は喰種です。

そして
…見事、私の正体を突き詰めた橘君
貴方は私の正体を見破って
CCGにでも通報するつもりですか」

すると
私は自分でも驚くような
自分の声とは思えないほどの
冷徹で感情のこもっていない声で
橘君にポツリとそんな言葉を吐いた。

「…」

橘君は
私の
そんな声で発せられた言葉を聞くと
その眼に何処か寂しそうな色を浮かべ
何かを考えるようにしながら
私の姿を一瞥するとこう言った。

「そんなことをする為に
俺は千草さんに声をかけた訳じゃないよ」

「じゃあ…!」

彼の言葉を聞き
若干、ムキになり
即座に言葉を返そうとした私を遮って
橘君はゆっくりとこう言葉を続けた。

「…俺は少し前から
千草さんが喰種だってこと気がついてた
この海岸に今日、来ることが出来たのも
千草さんが喰種だって知っていたからなんだ

今更、
千草さんを通報しようなんて思ってないよ。」

私は彼が言った言葉にまたもや某然とする。

「少し前から…気づいてた…?
何で…上手くやってきたはずなのに…何で。」

「心配しなくても大丈夫だ
千草さんが喰種だって気がついた人はいない
━━━━━━ 俺以外はね。」

そして
腕の中にいる獲物の存在すら忘れ
次々と発せられる彼の言葉に
某然とする私の方へ
橘君くんはゆっくりと歩み寄ってくると
私と目線を合わせるようにしゃがみ込んだ。

「それに、
俺が喰種だって気がついた理由は多分
…俺が誰よりも
千草さんのことを気にかけて見ていたから」

「…え?」

彼は、先程よりも近い距離にいる
驚きを隠しきれていない私の目を見ながら


そんな、衝撃的な言葉を紡いだのだった。

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Leia - 此方のアカウントにログインできなくなってしまいましたので新しいアカウントで続きを書いていますのでよろしかったら覗きに来てください。新アカウント→五瀬 市世という名前で書いています。 (2014年10月6日 23時) (レス) id: 29f3bdcae5 (このIDを非表示/違反報告)
Leia(プロフ) - あすぱらさん» コメントありがとうございます*\(・x・)/*かなり遅めのペースですが着実に更新して行きますのでよろしくお願いします゚+.(・∀・).+゚. (2014年9月14日 5時) (レス) id: 69622970c6 (このIDを非表示/違反報告)
あすぱら(プロフ) - どちらの作品も凄く好きなので楽しみにしてます!更新頑張ってください!(° ▽° *) (2014年9月4日 21時) (レス) id: 30be045bc5 (このIDを非表示/違反報告)
Leia(プロフ) - メロンパンさん» コメントありがとうございます(*´ェ`*)ちまちまと更新して行きますのでお時間がある時にでも覗きに来てくださると嬉しいです (2014年9月3日 1時) (レス) id: 69622970c6 (このIDを非表示/違反報告)
メロンパン - 続きがとっても気になります! 更新頑張ってください! (2014年9月1日 19時) (レス) id: 233ec6321a (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:Leia | 作成日時:2014年8月13日 13時

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