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第弐話 ページ3

橘 真琴
私と同じ岩鳶高校に通っている2年生で
彼とは同じクラスに在籍しており
クラス内では私の後ろの席にいる人物だ

「…っ」

私は予想しなかった出来事に面食らい
数秒の間、橘君を見たまま固まってしまった

「その人を、離してくれませんか?」

橘君は数秒固まったままだった私を見て
先程と同じ言葉を
橘君は
今度は丁寧な言い方に直してそう言った。

「…巫山戯たことを言う」

私は二度目の彼の言葉に
ハッと我に返ると
数年前から愛用している
黒い蝶を模した仮面の下で
やっとの思いでこう言った。

「折角の機会を
無駄にするようなことを
この私がする訳ありません。」

私は少し早口になりながら
彼に向けて言葉を投げかける。

「…速くこの場からいなくなって下さい
私は貴方を襲わないと約束しますから。」

私がそう言い終えると
橘君は先程と打って変わって黙り込み
先程の私のようにその場に固まってしまった

「…それに、速くいなくならないと
見たくもないものを見ることになる」

半分ほどしか出してなかった
赫子の残りを少しずつ解放しながら
私は脅しをかけるようにそう言った。

そして私は
未だ、黙っている彼から視線を外し
今、目の前にいる男に再び目を向け直した。

「…」

私は流石に橘君の目の前で
恐怖のためか、気を失ってしまった
この男を喰らうのは何故か気が引けたので
私は橘君が
この場からいなくなる足音がするのを待った

しかし

「…俺はいなくならないよ」

橘君が去るのを待っていた私に聞こえたのは
橘君の此処を足音ではなく
私が想像すらしなかったそんな言葉だった。

「…何を言われても
俺は此処に残るよ、千草 Aさん」

先程と変わらない調子で告げられた
橘君の言葉に驚いて
私は赫眼を見開きながら
もう一度、彼の方をゆっくりと向きなおった

すると、彼は
喰種としての姿を曝け出している私に
いつも学校で浮かべている
人懐こい笑みをやんわりと浮かべたのだった

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Leia - 此方のアカウントにログインできなくなってしまいましたので新しいアカウントで続きを書いていますのでよろしかったら覗きに来てください。新アカウント→五瀬 市世という名前で書いています。 (2014年10月6日 23時) (レス) id: 29f3bdcae5 (このIDを非表示/違反報告)
Leia(プロフ) - あすぱらさん» コメントありがとうございます*\(・x・)/*かなり遅めのペースですが着実に更新して行きますのでよろしくお願いします゚+.(・∀・).+゚. (2014年9月14日 5時) (レス) id: 69622970c6 (このIDを非表示/違反報告)
あすぱら(プロフ) - どちらの作品も凄く好きなので楽しみにしてます!更新頑張ってください!(° ▽° *) (2014年9月4日 21時) (レス) id: 30be045bc5 (このIDを非表示/違反報告)
Leia(プロフ) - メロンパンさん» コメントありがとうございます(*´ェ`*)ちまちまと更新して行きますのでお時間がある時にでも覗きに来てくださると嬉しいです (2014年9月3日 1時) (レス) id: 69622970c6 (このIDを非表示/違反報告)
メロンパン - 続きがとっても気になります! 更新頑張ってください! (2014年9月1日 19時) (レス) id: 233ec6321a (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:Leia | 作成日時:2014年8月13日 13時

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