【安室透】離婚した元夫と再会しました【降谷零】

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｢凄ーい！！｣

｢あっという間に飛んでったぜ…｣







｢貴方って本当に変なところが抜けてるわよね｣



歓声を上げる子供達を遠い目で見守りながら
哀が呆れたように呟く。

あまり言われない言葉だったが、彼女の忠告を
無視してここに来てしまったのだから
無駄に言い訳しても仕方ないだろう。


天高く飛んでいくドローンを見上げて
｢そう｣とだけ言っておいた。




｢瑞沢先生がアイツらの誘いに乗るなんて…
べ、別に気を遣わなくても大丈夫だよ先生｣

｢私もドローンに興味があったから来ただけよ。
……あの子達は私の元夫を
尋問するために誘ったようだけど｣



すっかりドローンに夢中なようで、
この調子だと尋問は中止されそうだ。
怪訝な目で私を見る江戸川君が｢そっか｣と笑う。




｢それに…今日はあの胡散臭い
ハイネックも姿を見せないようだし｣

｢そ、それってもしかして沖矢さんのこと？｣

｢さあ。どうかしら｣



回答をはぐらかすとジト目で見つめられた。
何の理由があってあんなメイクをしているのやら。


頬杖をつき窓の向こうではしゃぐ博士達を
じっと観察していれば、ふと江戸川君が
ニュースが流れるテレビに目を移した。



『さて、CMのあとは開催迫る
東京サミットの最新情報をお送りします』




(東京サミット…確か国際会議場で行われるはず)



そろそろ点検等が行われる時期だが、
公安である彼も参加しているのだろうか。


ふとした瞬間に彼の面影を探してしまって
すぐに頭の中から除去する。江戸川君の隣に座り
仕方なく紹介映像をぼんやり見ていたら、








『番組の途中ですがたった今入ったニュースです。
ｰｰｰｰｰｰｰ来週、東京サミットが行われる
国際会議場で先ほど大規模な爆発がありました』




｢っ、…博士！！｣



速報が入ったらしくアナウンスの内容に
江戸川君が急いで博士を呼んでいた。哀と私は
流れてくるカメラの映像を確認する。






｢…………｣


｢…っ、…ねえ｣





彼女も私と同じものを見たのだろう。

サミットの会場が爆破される映像が
様々なアングルから撮られていて、爆風で
吹き飛んだ車や窓ガラスなどが鮮明に映っていた。


灰色の煙の中で、確かに見つけたのだ。




(……まさか)





さあ、と顔色が青くなるのを感じた。
乾いた唇が震えて｢ちょっと、大丈夫？｣と
哀が懸命に私を呼びかける。





ｰｰｰｰｰｰ彼がいたのだ。


爆発が起きたあの現場に。

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