検索窓
今日:1 hit、昨日:91 hit、合計:710,749 hit

3 ページ5




Conan side



「さっきの人ってコナン君の学校に
新しく来た先生だよね?
なんか怒ってたみたいだけど…」

「はは…」



俺が江戸川コナンとして帝丹小学校に転入してから
少しして、新しく赴任してきた先生。

無表情で愛想もない。そのせいで生徒達からは
気味悪がられたり疎外されているのだが、
俺や灰原は案外あの人を気に入っていた。




「もしかして、安室さんの彼女さんですか?」




バーロー。明らかに破局したカップルだろうが。

未だ彼女が去っていった出口を
名残惜しげに見ていた安室さんに、
恍惚とした様子で蘭が微笑む。


それでも安室さんは嫌な顔一つせずに
「実は…」と少し苦笑してみせた。



「離婚したんです。彼女とは」




目を丸くした蘭が忙しなく謝るまで数秒。
そして、安室さんのタートルネックの上からさげられた
チャームネックレスに俺が気付くまで数分。


安室さんから別れを切り出した…
というわけではないみたいだ。



┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈


「えー!瑞沢先生って結婚してたんだ!」

「確かに言われてみれば結婚指輪をしていますね…」

「でもよ。あんなおっかねえ先生、
誰が好きになんだ?」



暫くして。灰原にこそっと先日あった出来事を
話していたつもりが、運悪く
噂好きの彼らにも聞こえていたらしい。

理科の授業を終え試験管を片付ける瑞沢先生を
壁から覗き見ては議論し合っている。




(それがまさか、優しくてイケメンな
安室さんだとは流石に思わねーよな…)



幸いにもその名前を彼らは聞いてなかったようで
俺のみが引き攣った笑みを浮かべることになった。

すると隣にいた灰原が「意外ね」と呟く。



「彼女…結婚とか興味無さそうなタイプなのに。
あの指に付けたままの婚約指輪は
虫除けってところかしら?」


「まぁな。実験の時はポケットに入れてるみたいだし、
抜けないってことはねえだろうけど…」

「その安室とかいう男。組織の幹部なんでしょう?
だったら離婚して大正解ね」



淡々と物言う灰原はじっとりとした目付きをして、「あの彼女に婚姻届を書かせるなんて
一体どんな手を使ったんでしょうね」と呟いた。




(そんなの、俺が知りてぇよ……)



どうも探偵の血が騒いでしまう。

ふと目を向けると、当の本人は
憂いを帯びた眼差しで自身の左手を見つめていて
尚更謎が深まるばかりであった。

4→←2



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (543 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
1356人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

てな(プロフ) - まゆさん» わーありがとうございます!気づくの遅くなってすみません…!感動していただき嬉しみです(´∇`) (2019年3月10日 22時) (レス) id: 46f0755694 (このIDを非表示/違反報告)
まゆ - 完結おめでとうございます^_^面白かったです^_^最後は、すごく感動しました!これからも、頑張って下さい^_^ (2019年3月7日 14時) (レス) id: 406c27ad01 (このIDを非表示/違反報告)
てな(プロフ) - かずささん» ありがとうございます!結構端折ってた部分もあったので過去エピソードとか結婚後のお話を時間があったら書いてみたい!!と思ってます(゜▽゜) (2019年2月1日 23時) (レス) id: 46f0755694 (このIDを非表示/違反報告)
てな(プロフ) - れいさん» ぴえありがとうございます〜!50話を超えてしまったので気が向いたら続編を作ってみたいなとか思っております… (2019年2月1日 23時) (レス) id: 46f0755694 (このIDを非表示/違反報告)
かずさ(プロフ) - 私も結婚後の生活の話が読みたいです!できるならお願します! (2019年2月1日 22時) (レス) id: 189adfe0dc (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:てな | 作成日時:2019年1月20日 0時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。