7日目 ページ7
「…叔父さん」
「おや?どうしたんだい?」
珍しく、家に帰ると寂雷の靴があった。邪魔してはいけないと思いながらも、彼の寝室のドアをノックし、ドアを開けた。
開けるの、相変わらず聖母のように微笑んだ寂雷がいて、ホッとした
「顔色が悪い…どうしたんだい?」
ドアから覗かせる甥の顔を見て、余裕が無くなる、椅子から立ち上がり、彼の顔に触れ、マジマジと見る
「…ちょっと…気分が悪い」
「それは大変だ。何があったのか、話せるかい?」
コクリと頷き、寂雷に促され、彼のベッドに寝転ぶ、その姿はとてもか弱く、寂雷の胸を痛ませた。
「今日はどうしたんだい?」
寂雷の問いかけに、少し間を開けながらも、一生懸命に口を動かす。
「女の子が、怖い…」
「可哀想に…ほら、大丈夫、今は私とA、2人きりだ。」
サラサラの綺麗な髪に触れ、撫でる、自分とは違い少し癖のある髪質がとても愛らしかった。
「今日、手作りのお菓子をもらったんだ…でも、怖くて…!持ってるだけでも…気分が悪くなってきたんだ…」
呼吸も少し荒く、徐々に汗ばんでいく、義理の母親と腹違いの妹にどんな仕打ちを受けてきたのか、この姿を見て痛々しいほど感じ取れた。
「うん」
寂雷は彼が話し終わるまで黙って話を聞いた。上手く話せない彼を優しく包みこむように手を握る
「でもね、叔父さん…
クラスメイトが…田中勇気、て奴がそれを食べてくれたんだ…」
へへっ、と少しだけ笑った。その光景に寂雷は目を見開いた。なんせ、Aが嬉しそうに笑ったのだから
「手作りに抵抗あるのか?なら俺が食べてやるから、適当に美味かった。て返しとけ、て…僕の目の前で全部食べたんだ」
「いい友人を持てたね」
「うん…」
少し落ち着いた様子を見て、安心した寂雷、だが、まだ精神的に安定しない甥をこのまま放っておくわけにはいかない
「今楽にしてあげるから、リラックスしていておくれ」
寂雷はヒプノシスマイクを取り出した。甥に向けて愛のリリックを呟く為に
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キツネ(プロフ) - 先生の一人称って確か「私」だった気がします! (2018年12月5日 8時) (レス) id: d9dc0794de (このIDを非表示/違反報告)
あみゅ(プロフ) - もうもう最高の小説です!!これからも頑張ってください!! (2018年12月4日 15時) (レス) id: 32b3f29cf2 (このIDを非表示/違反報告)
ぱぶ - 関連作品の項目に出ていて気になって読んでみたのですがとても面白かったです!これからも頑張ってください!! (2018年12月3日 17時) (レス) id: 45b49dcaaa (このIDを非表示/違反報告)
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