34話 街 ページ36
・
_______朝は不本意ながらも一悶着あったものの、私たちはお館様からの
"私たち" といっても、私は喋るのが得意ではないし、彼は極端なほど人と会話をしようとしないので共に行動しているだけで先程から一言も言葉を交わしたりはしていないから微妙なところではあるけど…
人と人との接し方としてそれはどうかとも思うが、任務を遂行する上では一向に構わない。今朝のことを話題に出されたりする心配もないしで、正直言って私は安堵していた。
よく抜けてるだとか何を考えてるのかよくわからないとは言われるけれど、着替えの途中によそ見をしたせいで転げただなんて恥の多いことを誰かに知られたくはない。
『(…産屋敷殿から聞いた話では 彼は物事をすぐに忘れてしまうらしいし、余計な心配だろうか……うん)』
そう1人勝手に納得していたところ、前を歩く彼の黒髪が揺れた。どうやら目的地についたらしい。
私も同じく足を止め、街全体を仰ぎ見た。母屋や料亭、甘味処などがズラっと店を掲げていて、とても賑わっている。昨日の夜に漂っていた妖艶な雰囲気が嘘のようだ。
『(本当に、花街とは思えない街並みだな…)』
聞いた話では、この町の遊郭が活動を始めるのは夕暮れとほぼ同じ頃だという。なんでも古くからの習わしだそうで、昼間は全くと言っていいほど普通の街として機能していた。
『……』
どこからか「きゃはは」と年端もいかない少女たちの笑い声が聞こえてくる。どうやら友達と噂話をしているようで、そわそわした気配がよく伝わってきた。
確かにここは少し人里から離れた所にあり、その上山に囲まれている小さな街だけれど、かなり古いであろう習わしを今も大切に守っているだけあって、この街の人は穏やかで気立ての良い雰囲気の人が多い。
聞き込みがしやすそうで助かるな、と思っていたところ、調度おつかいから帰ったらしい中年の女性と目が合った。
『__あの、そこのお人。少しよろしいでしょうか』
「ええ、ってあら、別嬪さんねぇ……!
どうしたの?観光かい?うちは甘味処をやってるんだけどね、ほら寄って行きなさいな。なんだかご利益がありそうだよ、ふふ」
『ありがとうございます』そう答えようとしたが、それはある人物によってはばかられた。
「……ねぇ、君達と違って僕は忙しいんだけど
情報だけ渡してさっさと消えてくれない?」
おみくじ
おみくじ結果は「末凶」でした!
305人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「鬼滅の刃」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ほしいも(*^^*)(プロフ) - 設定めっちゃ自分の好みでした!(笑)更新少しずつでいいので頑張ってください〜!😁 (12月13日 16時) (レス) @page40 id: 88768a4726 (このIDを非表示/違反報告)
向汰(プロフ) - 空桜さん» そう言っていただけて嬉しいです!それに、私以外にも頑張っている方がいらっしゃるのだと思うと少し肩の力が抜ける気がします(´˘`*) 試験頑張ってください。応援しています (2019年9月23日 1時) (レス) id: 1112aaa288 (このIDを非表示/違反報告)
空桜(プロフ) - 待ってますね!私も就職試験あります。お互い頑張りましょう! (2019年9月23日 1時) (レス) id: e5333279ca (このIDを非表示/違反報告)
向汰(プロフ) - 何卒さん» ありがとうございます〜〜!気長にお待ちください(´˘`*) (2019年9月22日 21時) (レス) id: 1112aaa288 (このIDを非表示/違反報告)
何卒 - めっちゃ気になるところで終わってしまってウズウズしてます。笑 続き楽しみにしています! (2019年9月21日 1時) (レス) id: 58baba6999 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:向汰 | 作成日時:2019年8月25日 1時