35話 粗茶ですが ページ37
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「粗茶ですが!!」
ドンッ!!激しい音とともに、深い緑色をした液体が数滴机の上に垂れた。
カウンター席に座っている彼は、なんとも言えない表情で差し出された湯呑みを見つめている。
『(これは……)』
思わず苦笑いが零れた。とりあえず、と進められるがままお店に入れてもらったが、普通の飲食店ならば苦情を入れられても仕方の無い行為だ。けれど今回の件に関しては全面的に彼が悪いのでフォローのしようもない。
何しろこの女性が怒っているのにはわけがある。
まず、女性の名前は
問題はその月英さんに私がこの付近に現れた鬼について訪ねようとした時のことだ、彼女が快く情報を渡そうと親切に店に招いてくれたにも関わらず、彼……霞柱様は彼女の申し出を断り、さっさとしろとのたまったのだ。
先程も言ったが、この街では礼儀や伝統をとても重んじていて、遊女や客でさえ誰一人としてそれを軽く見たり蔑ろにしたりする人間はいないのだそう。
確かに、彼からは悪意の気配が全くしないので、おそらく故意にやっている訳では無いのだろうが……
「……」
霞柱様は未だに零れたお茶の水滴を見つめてぼんやりしているが、ここは部下としてフォローすべきところだろう。そう思って深々と頭をさげた。
『……あの、月英様。改めまして私は政府非公認の組織。鬼殺隊からの遣い、紲条Aにございます。先程は大変失礼を致しました。どうか御容赦と共に、我々に対する鬼に関しての情報開示をお願いできないでしょうか…』
「あ、ああそんな、あなたが謝ることないのよ?」
霞柱様と同じくカウンターに座っている私に桜餅と抹茶を出してくれながら、月英さんはあたふたした様子から一転し、一つため息をはいてから、少し神妙な雰囲気を醸し出して私に問うた。
「…………今、鬼殺隊と仰ったわよね、それは本当なの?そこの彼なんて、まだ子供に見えるけれど…
あなたはいくつなの?」
……はて、困った。
彼もだけど私もいってまだ若いし、もしかして私たちでは頼りないだとか思われているんだろうか。
『…正確には分からないのですが、おそらく十七あたりかと』
「十七…?!あなたもまだ全然若いじゃない!
どうして鬼殺隊なんかに……」
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ほしいも(*^^*)(プロフ) - 設定めっちゃ自分の好みでした!(笑)更新少しずつでいいので頑張ってください〜!😁 (12月13日 16時) (レス) @page40 id: 88768a4726 (このIDを非表示/違反報告)
向汰(プロフ) - 空桜さん» そう言っていただけて嬉しいです!それに、私以外にも頑張っている方がいらっしゃるのだと思うと少し肩の力が抜ける気がします(´˘`*) 試験頑張ってください。応援しています (2019年9月23日 1時) (レス) id: 1112aaa288 (このIDを非表示/違反報告)
空桜(プロフ) - 待ってますね!私も就職試験あります。お互い頑張りましょう! (2019年9月23日 1時) (レス) id: e5333279ca (このIDを非表示/違反報告)
向汰(プロフ) - 何卒さん» ありがとうございます〜〜!気長にお待ちください(´˘`*) (2019年9月22日 21時) (レス) id: 1112aaa288 (このIDを非表示/違反報告)
何卒 - めっちゃ気になるところで終わってしまってウズウズしてます。笑 続き楽しみにしています! (2019年9月21日 1時) (レス) id: 58baba6999 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:向汰 | 作成日時:2019年8月25日 1時