『あの、幽霊憑いてますよ？』【歌/い/手】

さんっ ページ4

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『……はぁっ』
とにかく、とにかく私は今落ち込んでいる。

なんでって……
ライブぜんっぜんたのしめなかったんだよぉぉぉぉぉ！！！！

金縛りは解けたけど、あの気にずっと当てられていたから気持ち悪いったらありゃしない。
せっかくのライブを、ぜってぇゆるさねぇかんな、と密かに幽霊に殺意を覚える。

まぁ殺意持ったって私から手を出そうなんて馬鹿なことはやりませんよ！
自分がやるんだったらその辺の石ころにでもお願いしとくっての。


「握手会のチケット持ってる方はこちらに並んでくださーい！」

と、スタッフさんが声を張り上げて言っていた。
や、やばい、握手会まで潰すとこだった。


早足で会場に向かうと、もう既に何人もの人が並んでいた。

「握手会のチケット見せてもらってもよろしいでしょうか」
『あ、は、はい』
「……確認しました。では、こちらに並んでください」


スタッフさんの指示に従い最後尾に並んだ。この様子だともう終わりの方、なのかな？

ライブが潰れた分、こっちで楽しもう。
そう意気込みを入れてあの二人に会うのを待っていた。

この時私は忘れていた、あの幽霊のことを。




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(ここ１週間元気ないが、まふまふ、大丈夫か？)
(……大丈夫です！もうちょっとで終わりますから、頑張りましょう！)
(………無理は、すんなよ)
(…はい。分かりました！)
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よーん→←にっ

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