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07.酒に呑まれて ページ22

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「ひろー?甘えたくなったの?」









抱きしめたまま、そう聞いても

体がびくっと動いただけで

何の返答もない。









本当に酔ってふわふわしてるときは

心臓の音なんて聞こえないし

きっと緊張なんてしてないんだろう。









でも今日は違う




今日はシラフやほろ酔いの時と同じように

心臓の音が聞こえる。









…酔ったフリだな









「ひーろ?」


「んー?」


「今日は甘えただね?」


「…だめ…?」


「ダメじゃないよ、むしろ甘えてほしいかな」









きっとひろも俺が気付いたことに

気付いてる。








理解した上で確認してきてる









ホント計算高いよな…









「ひろシャワー浴びておいで?」


「まだ…」


「ん?」


「まだ太輔と、こうしてたい…」


「…っ、ひろっ」









突然の可愛いわがままがすごく嬉しくて

ぎゅっと抱きしめる力を強めたら







今まで俺の腰あたりで迷子になっていた手が

遠慮がちに背中に回ってきて

より一層気持ちが伝わった気がした。









「あ、待って…ちょっとだけ離して」


「うん?…えっ?ひろ?!」


「ふふっ、びっくりした?」


「したよ…てか今もしてるし…」









俺から離れて立ち上がったと思ったら

突然電気を暗くしたひろ。









ほぼ何も見えないけど、近づけば

かろうじてお互いの表情が見えるレベル。









びっくりしてる俺の声を聞いて

楽しそうに笑うひろは

いつの間にかまた俺の腕の中。









「いきなり何が始まったの?」


「んー……たいすけ、」


「ん?…っ、ひ…ひろ?」


「だめ、そんな見ないで」









んー…、って悩んでるようなひろの声に

何か考えてるのかな なんて思ってたら

いきなり唇に感じたやわらかい感触。









…ひろが、俺にキスをした。









「んっ…、」









なんて、こう驚いている間にもひろは

キスを続けていて。









長く押し付けてみたり、

俺の下唇を自分の唇で挟んでみたり…









それに応えるように俺からも返せば

近すぎて表情は見えないけど









ふっと息を吐いた様子から

笑ったのかな、なんて思った。









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茉莉花(プロフ) - しおぱまさん» ありがとうございます!読者様に楽しんでいただけるような作品を目指していくのでこれからもよろしくお願いします^^ (2017年2月15日 0時) (レス) id: 1e53697028 (このIDを非表示/違反報告)
しおぱま(プロフ) - 今回は短編集ということで、茉莉花さんの書く様々な藤北が見られそうで嬉しいです、!更新大変だと思いますが頑張ってください! (2017年2月13日 16時) (レス) id: 21c0d8b98c (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:茉莉花 | 作成日時:2017年2月13日 0時

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